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2021.04.18

「苦難が生み出すもの」 ローマ人への手紙 5章1節―11節  西田育生牧師

 

パウロは、何かの条件をクリヤしたら(=コンディショナル)救われるのではなく 、義人は信仰によって生きると語り続けています。それでは救われた後はどうなるのでしょうか。
第一に、神との平和の中に生きるようになります。つまり「こうして、私たちは信仰によって義と認められたので、私たちの主イエス・キリストによって、神との平和を持っています。」(ローマ5:1)とあるように日々、平安のうちに生活できるというのです。確かに家庭で、職場で、国と国との間で様々なことが起きます。しかし、そんな時にイライラしたりしていてはうまい解決には至りません。平安であってこそうまく対処できるのでしょう。平安は私たちの生きる土台ですしキリストを通して平安の中に入れられます。「このキリストによって私たちは、信仰によって、今立っているこの恵みに導き入れられました。そして、神の栄光にあずかる望みを喜んでいます。」(同5:2)私たちがキリストを信じることによって神の恵みに導き入れて頂いたのです。
神の導きにより「苦難を喜ぶ力」を得ることができます。一見矛盾しているようですが、パウロは次のように展開しています。「それだけではなく、苦難さえも喜んでいます。それは、苦難が忍耐を生み出し、忍耐が練られた品性を生み出し、練られた品性が希望を生み出すと、私たちは知っているからです。この希望は失望に終わることがありません。なぜなら、私たちに与えられた聖霊によって、神の愛が私たちの心に注がれているからです。」(ローマ5:3-5)ここには、苦難を積極的に受け止める姿勢が示されています。苦難によって自分が変えられ、角が取れ、全てが自分の成長の糧となるとパウロは語っているのです。
苦難はまず、忍耐を生み出すとあります。現代社会では忍耐することには慣れていないようです。メールやラインをすればすぐに返事が欲しい、物を注文してはすぐに届けてほしい、神に祈ってお願いごとをしたらすぐに叶えてほしいと思うのが私たちではないでしょうか。そうではなく、神を信頼して、神の時を待つことが必要でしょう。人を信じ、神を信じることで試練や困難を乗り越えることができます。神の時が来て事がなされることを忍耐強く待ちましょう。信仰によって忍耐力を培って行きましょう。
そして忍耐から生まれるのは練られた品性だとパウロは展開しています。品性のモデルになるのはキリストの品性、即ち「御霊の実=愛、喜び、平安、寛容、親切、善意、誠実、柔和、自制」(ガラテヤ5:22-23)です。「優しさ」という字は人を憂えると書きます。憂える心を経験してこそ人に優しくできるのです。私たちも忍耐を通して御霊の実を少しでも身につけたいものです。別の聖句にも「私の兄弟たち。様々な試練にあうときはいつでも、この上もない喜びと思いなさい。…信仰が試されると忍耐が生まれます。…あなたがたは何一つ欠けたところのない、成熟した、完全な者となります。」(ヤコブ1:2-4)とあります。このように苦難や試練を通して人間性が培われるのです。そのモデルが創世記のヨセフの人生ではないでしょうか。小さい時に異母兄弟たちによって奴隷商人に売り飛ばされエジプトへ行きました。無実の罪で投獄されますが、夢を解くという賜物のために牢から出され、忠実さゆえに総理大臣になりました。7年の豊作と7年の飢饉の来ることが王の夢によって分かっていたので、穀物倉を立て、世界中の人々を救う段になりました。ある時兄弟たちが助けを求めに来て、一家を救うことができたのです。ヨセフにしてみれば兄弟たちに対する恨みつらみがあったはずですが「…ですから、私をここに遣わしたのは、あなたがたでなく、神なのです。…」(創45:8)と悟りを得ました。今までの苦難困難を点で見るのではなく神の計画と考えての悟りでした。
そのように思えたのはやはり神の愛に包まれていたからでしょう。「しかし、私たちがまだ罪人であったとき、キリストが私たちのために死なれたことによって、神は私たちに対するご自分の愛を明らかにしておられます。」(ローマ5:8)「…和解させていただいた私たちが、御子のいのちによって救われるのは、なおいっそう確かなことです。」(同5:10)と神を信じる前から注がれている深い愛を語っています。
今、苦難の中にいるでしょうか。それが神の計画とすれば、どう展開するでしょうか。忍耐の末に練られた品性が身につき、大きな希望が生まれることでしょう。今の苦難を喜び、恵みを享受して参りましょう。

 

≪分かち合いのために≫

  1. あなたに起こってくる様々な試練や苦難をどのように受け止めていますか。
  2. 神の愛が注がれていることを信じますか。

 

 今日の暗唱聖句

 

「それだけではなく、苦難さえも喜んでいます。それは、苦難が忍耐を生み出し、忍耐が練られた品性を生み出し、練られた品性が希望を生み出すと、私たちは知っているからです。」(ローマ 5章3-4節)

 

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