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2021.07.11

「こころのうめき」 ローマ人への手紙 9章1節—5節  西田育生牧師

 

ユダヤ人は選びの民と言われています。選民意識が非常に高い人たちです。パウロたちの宣教に一番反対したのはユダヤの同胞でした。かつてパウロもクリスチャンを迫害していましたから、なんとか救われて欲しいという思いがありました。パウロは信仰の勝利の確信を得れば得るほど同胞に救われてほしいという思いが強くなりました。私たちは自分だけが救われたらそれで良いのでしょうか。
クリスチャンが気をつけなければいけないことは、神と自分との関係が個人主義的になり他の人たちに目が行かなくなってしまうことです。救われた喜びが溢れるほど自分の家族、友達と周りに人に目が行くはずです。それが神が私たちに起こしておられる渇きです。モーセは金の神を造った民を見てうめきました。「ああ、この民は大きな罪を犯しました。…もしあなたが彼らの罪を赦してくださるなら…あなたがお書きになった書物から私の名を消し去ってください。」(出エ 32:31-32)モーセもパウロと同じ思いでした。「エルサレムに近づいて、都をご覧になったイエスは、この都のために泣いて、言われた。…しかし今、それはおまえの目から隠されている。」(ルカ 19:41-42)イエスは平和の君としてロバに乗ってエルサレムに来ました。民衆は、最初はホザナと歓迎しましたが、やがて十字架にかけるようになります。ところがイエスはこの都のために涙を流されました。貴方は家族、友人が救われるために泣いて祈っているでしょうか。日本人は同胞のためにどれだけ目覚めて伝道しているでしょうか。日本人の救いは日本人の手によるべきです。自分の家族の救いは自分の手でという思いを持ちましょう。家族に伝道するのは難しいことです。言葉だけではなく態度や生き方が証にならなければいけないからです。「主イエスを信じなさい。そうすれば、あなたもあなたの家族も救われます。」(使徒 16:31)これは聖書の約束です。「主は、ある人たちが遅れていると思っているように、約束したことを遅らせておられるのではなく…だれも滅びることがなく、すべての人が悔い改めに進むことを望んでおられるのです。」(Ⅱペテ3:9) 神が願っておられるは全ての人が悔い改めて救われることです。
「彼らはイスラエル人です。子とされることも、栄光も、契約も、律法の授与も、礼拝も、約束も彼らのものです。父祖たちも彼らのものです。キリストも、肉によれば彼らから出ました。キリストは万物の上にあり、とこしえにほむべき神です。アーメン。」(ロマ 9:4-5)イスラエル人には特権が与えられました。子とされ神の栄光を受け、モーセの十戒も礼拝も様々な約束もイスラエルから出ました。アブラハムにイサク、ヤコブ、ヨハネという先祖たちも、そしてイエスもイスラエルの民として生まれました。私たちは異邦人ですがイエスを信じることで神の民となり、このような特権をいただくことができるようになりました。しかしユダヤ人に決定的に足りなかったのはキリスト・イエスでした。彼らはイエスがメシアであることが受け入れられず、パウロはそれを思い悩んだのです。パウロの同胞へのうめきが強かったのは、ユダヤ人に与えられている特権が無駄にならずに生かされるようにイエスに出会って欲しいという願いからでした。
私たちが福音を語るのに土壌ができていないと伝わりません。相手が心を開いてくれれば福音は入っていきますが、そうでないと反発されてしまいます。パウロはユダヤ人の考えや思いを知り、なぜ頑なになるのかも良く分かっていました。パウロはユダヤ人に歩み寄り、思っていることをなんとか理解してもらおうとしました。また、イエスもそのように伝道なさいました。取税人で嫌われ者のザアカイに声をかけました。彼の罪を責めることもなく、イエスが自分のことを知っておられるという喜びのために心が変わったのです。(ルカ19:1-10)サマリヤの女の人にも水を飲ませて下さいと声をかけて近づきました。井戸水の話から発展させて永遠に渇かない水の話をした結果、彼女はイエスを救い主として受入れ、証しをして回ったのです。(ヨハネ4:7-29)あなたが自分の周りに救われる人が少ないと思う時、一方的な思いだけを伝えていないか考えてみましょう。相手に関心を持って、できればノートなどを作って書き留めてみると良いかもしれません。マイナスを指摘するのではなくまずは相手の関心のあることでコミニュケーションをとりましょう。
私たちも同胞や家族のために身近な所から知りましょう。相手に興味を持って、相手の関心ごとに関心を持つことで福音を伝えましょう。その後に、神の大いなる恵みがあることを信じていきましょう。

 

≪分かち合いのために≫

  1. 同胞の人たちに対する痛みを覚えることはあるでしょうか。
  2. あなたの周りの人たちの関心に関心をよせましょう。 

 

 今日の暗唱聖句

 

 「私には大きな悲しみがあり、私の心には絶えず痛みがあります。」(ローマ人への手紙 9章2節)

 

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