2025.11.02
「心構えを培う」
「…あなたがたは、古い人をその行ないといっしょに脱ぎ捨てて、新しい人を着たのです。新しい人は、造り主のかたちに似せられてますます新しくされ、真の知識に至るのです。」(コロサイ人への手紙3:9b-10)
以前、テレビ局から「新しい企画の為に、料理の達人を紹介してもらえないか」と言う電話がありました。教会だからいろいろな方が来ておられるのではないかと思ったのでしょう。あいにく適当な人が見つからず紹介は出来ませんでしたが、どんな企画なのか尋ねてみました。ディレクターによれば、売上が落ち、つぶれる寸前のお店を再建しようという企画で、内装などの費用はもちろん売上減少の原因を分析して店主に徹底して料理を勉強し直してもらい、店を立て直すと言うものでした。後にこれは「愛の貧乏脱出大作戦」という番組となって長く放映されました。ラーメン屋さんからたこ焼き屋、焼き鳥屋からケーキ屋さんなど様々な業種の方々が登場しました。
何度か見ましたが、私たちの生活にも当てはまる事が多々あり、考えさせられました。まず、現在の状況を取材しているのですが、うまくいっていないお店の共通点が見えてきます。外観は汚れていて飲食業なのに清潔感がありません。店内は雑然としていて整理整頓が出来ていない。店に入っても挨拶もなければ応対する店主も覇気がない。出てくる料理はというと、生ぬるかったり、インスタントの味がしたりして、他の料理人が味わえばでき合いのものをアレンジしたものだということがすぐにわかるものばかり。
店主の話を聞けば、言い訳に終始。挙句の果てはもう店はどうなってもいいという投げやりの言葉が端々に出てくる。しかし、その影で苦労している奥さんや子供たち。店主の葛藤。番組が進むうちにもう一度本気になってやり直してみようという気持が出てきて、料理の達人の所で修行を始めます。しかしその修行も最初はうまく行きません。今までの生活態度や心構えが出てきて料理人から叱責される。それでも、何とか歯を食いしばって修行を終え、営業に再挑戦をするのです。
結局、言い訳は許されない自分との戦いがそこで繰り広げられていくのです。ある意味、大変厳しい生き方がそこでは問われているように思います。でもその厳しさを乗り越えたら、店は再び繁栄を始めお客が戻ってくる。流した汗と涙が全部自分への祝福へと変わり、喜びを家族と享受できるようになるのです。まさに私たちの生き方は心構えひとつで決まるといえます。古い心構えを捨て、新しい心構えを身につけるためには自分自身としっかり向き合わなければなりません。時にはしんどいことですが、それから逃げては新しい展開は起こってきません。
私たちはキリストによって救われ、罪赦され神の子となったのです。わたしたちは神の子供として神に喜ばれるように、積極的に生きていくことが期待されているのです。
まとわりつく様々な誘惑や古い習慣を脱ぎ捨て、キリストに自らを献げる生き方を実践し始めましょう。祈りの習慣はいい加減になっていませんか。礼拝をなんとしてでも守り抜こうと言う意気込みがなえてはいませんか?あなたのような喜びに満ちたクリスチャンになりたいと言われるような喜びがありますか?もう一度主を見上げ生活の隅々にキリストの命が溢れるように生活を改善していこうではありませんか。その第一歩を踏み出しましょう。
(プレイバック週報2004年4月25日「牧師館より」 西田育生師)

