「自分の可能性を解き放とう!」
主のみ名を賛美します。
秋が深まりゆく頃となり各地で紅葉の便りが届くようになりました。また、猛暑だった夏とはうって変って、朝晩の冷え込みが厳しくなってきています。北海道では雪も舞い始めたようです。自然界は駆け足で冬支度をしているようです。急な温度変化で体調を崩されないように、愛する皆様の上に、神様の豊かな守りと祝福がありますようお祈りしています。
先日「世界を変える100人の日本人」というTV番組で、牧野幸江という助産師として活躍するシスターのことが紹介されていました。彼女は22歳の時に人の助けになりたいと助産師の資格を取得、25歳の時にキリスト信仰に導かれた彼女は、シスターとなって海外の人達に貢献したいと世界各地を周りながら助産師として奉仕をしていかれます。そして35歳の時マダガスタルに赴任しました。
そのマダガスタルは貧困と栄養不足などがひどく、最も貧しい国と言われているほどの国です。人口の3分の2の人達は産院がない地方に住んでいるため、専門知識のない村の産婆さんが出産を手がけている状況でした。栄養状態が悪い母親は、母乳も出ず、十分な母乳が与えられていません。そのような状況下でマダガスタルの乳児は9人に1人が死に、5歳未満の低体重児の割合が41.9%と世界でも類を見ないほどの高さなのだそうです。
そのような中で牧野シスターはあらゆることにチャレンジしていきます。多いときには一日10件の出産を手がけ、離乳食や出産育児の知識を教える「母親学級」の実施。高級とされる粉ミルクの無料配布。乳児がかかる病気を食い止めるための予防摂取の導入。産院がない地方への訪問看護など、出産と育児の環境作りに奔走して行かれます。そしていままでの17年間に延べ、6000人の命が牧野シスターやそのスタッフによって救われていったのです。
私は、牧野シスターの働きの素晴らしさに感動をいたしました。神様から与えられた志を、真剣に受け止め、それを実践すべくチャレンジして行かれたゆえです。そんな彼女も最初は海外で働きたいという思いがなかなかかなえられなかったそうですが、神様は彼女の切なる願いと祈りに答えて道を開いてくださったのです。
神様は、働きは違っていても、私たちに志を与えて神様のみこころを実践するために召しておられるのです。そのことこそが私たちが救われ、生かされている本質的な意味です。しかし、私たちはそのように活躍をしている人を見ると、結果の大きさから、単純にそんなことは出来ない。私には無理。そんな思いに駆られる傾向があるのではないでしょうか。働きの素晴らしさを認めつつも自分とはかけ離れた世界のことのように受け取ってしまいがちです。しかし、神様は私たちを、私たちならではの働きに召しておられるのです。あなたの心にはどのような願いや思いがあるでしょうか?
何にでも始りがあるように、それは私たちの心の中に与えられた思いから始まるのです。それは単なる思いつきの思いではなく、心から消えない思いです。あるいは必要に対する重荷かも知れません。心に消えない思いや渇き。― それは神様が私たちに与えようとしている志の兆かも知れません。ある人は未開地に宣教に行った宣教師の証しを聞いて心動かされ、宣教師になる志を与えられ、今は宣教師として主に仕えておられます。もちろん、そればかりではありません。身近であなたが用いられる働きがあるのです。
「神は、みこころのままに、あなたがたのうちに働いて志を立てさせ、事を行なわせてくださるのです。すべてのことを、つぶやかず、疑わずに行ないなさい。」(ピリピ2:13-14)とあるように神があなたの内に起こさせてくださる志があるのです。それを大切にいたしましょう。
あなたの内に与えられている可能性は非常に大きいといわなければなりません。聖書のからし種のたとえから私たちはどれほどその可能性が大きいかを学ぶ事が出来ます。
また言われた。「神の国は、どのようなものと言えばよいでしょう。何にたとえたらよいでしょう。
それはからし種のようなものです。地に蒔かれるときには、地に蒔かれる種の中で、一番小さいのですが、
それが蒔かれると、生長してどんな野菜よりも大きくなり、大きな枝を張り、その陰に空の鳥が巣を作れるほどになります。」(マルコの福音書4:30-32)
Ⅰ 可能性は「からし種」の中にある。
米粒とからし種
でも、この種は馬鹿にできません。やがて空の鳥が巣を作るほどになるのですから。
このからし種は、既にあなたの心の中に宿っていると言えます。今まで、色々な思いや誰かに対する憐れみの心が浮かんでは消え、消えては浮かんできたと言うことはないでしょうか。また、祈りの中で、神が示しておられるように思う重荷を感じたことはないでしょうか。けれども、それは出来ないと思ったり、はなから気のせいのように捉えてしまっていることはないでしょうか。でもその中にからし種となる、素晴らしい信仰の種が存在しているのです。今は確かに小さいかもしれません。大きな木になるというイメージが思い浮かばないかも知れません。でもその種に命があるのです。ですから、何事も始りは小さいところから始まる。ということを覚えたいと思います。
今まさにあなたにその種があることを信じてください。周りの大きな種や立派な志に圧倒されたりして小さくなる必要はないのです。
Ⅲ 大切に育てれば大きな成長を遂げる。
からし種の花
祈り続けていれば必ず、その思いは大きくなっていきます。当初は自分が描いたこととは違う方向に向かうかもしれません。でも祈っていれば確信が来ます。確信が来ないなら、確信が来るまで祈る事です。その中で、方向性の修正が求められるかもしれません。あなたの願いと神の方向が違うかも知れません。でも大丈夫。神のみこころに生きたいと願っているならば必ず主はあなたを導いて下さいます。
そこで大切なことは、慌てないことです。どれくらい育ったか、どれくらい根が伸びただろうかと引き抜く人はいないでしょう。ところが自分の思い描いたペースで事を運びすぎようとすると、イライラしたり、焦ったり、するとか返って逆効果です。
また、人と比べないことです。人と比べると劣等感に陥ったり、うまく行くとすぐ鼻が高くなってしまいます。アップダウンが多い人生になってしまいます。ある時はもうダメだと諦めたり、あれでもないこれでもないと中途半端になってしまう生き方になってしまうかもしれません。神を見上げて、忍耐を持って水を注ぎ育てるように、祈りながら、主が示される信仰のトレーニングを受けましょう。また成長に必要な養育を受けながら、主の導きを求め続けていきましょう。やがて必ず、花が咲き、成長が目に見えて明らかになってきます。
成長した、からし種の木
あるとき祈りの中で、神様が、セールスのことを心配しないで、出会う人の話を聞いて差し上げなさい。そう語られた気がしたそうです。それで、とにかく人の話を聞こう。その人のために祈ろう。そのように決意して祈って、人と出会うようになったら、気持ちが楽になり、豊かな気持ちになってきたそうです。そうすると、相手の方から商品の説明を求めてこられるようになり、商談が先月、今月と続けてまとまったそうです。「祈ると平安になりますね。今までこんな経験はありませんでした。神様は生きておられます。」神様の恵みを証ししてくださり、本当に感謝でした。
Ⅳ 成長させてくださるのは神様であることを信じる
そのように大切に育てているからし種はやがて大きな成長を遂げます。そうして鳥が巣を作るほどにまでになり、どんな野菜よりも大きくなるというのです。その成長をさせて下さるのは神様です。神の働きを期待しましょう。
パウロも「私が植えて、アポロが水を注ぎました。しかし、成長させたのは神です。」(Ⅰコリント3:6)と告白しているようにあなたや私を成長させて下さるのは神様ご自身です。これが自然に成長する人の姿なのです。いじりすぎて盆栽のように小さくまとまるのではなく(盆栽そのものはもちろん素晴らしいものですが)外でのびのびと伸びて、大きく成長し、キリストの使命に思い切ってチャレンジして生きるものとさせていただこうではありませんか。主はあなたの中に豊かな可能性に満ちたからし種を宿しておられるのです。それを解き放とうではありませんか。 いつも兄弟姉妹のお祈りとご支援に心から感謝をいたします。10月は3名の兄弟姉妹が洗礼を受けられました。また、茨城県の石岡市に移転した日韓教会、改め「希望の教会」も与えられた土地や建物の整備が進んでいるようです。どうかの働きのためにもお祈り下さい。教会もサンクスギビング(感謝祭)、クリスマスと忙しくなってきますが、何よりもイエス様のことを証しできることは本当に恵みです。兄弟姉妹の上にも主の圧倒的な祝福と恵みが御座いますようにお祈りしています。また、祈りのリクエストを送ってください。共に祈り神の勝利を頂きましょう。祈りに答えてくださる主に心より感謝しつつ。
キリストのしもべ 西田育生