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現代に生きる新約

NO.887 2025.08.10

「主を前にする」   詩篇 16章 1-11節    井上圭 伝道師

 

詩篇は信仰者に励ましや慰めそしてチャレンジを与えてくれます。16篇はダビデのミクタムと書かれています。ミクタムは黄金という意味であり、ダビデが人生で悟った黄金律(Golden Rule)と言えます。
聖書の有名な黄金律は「人からしてもらいたいことは何でも、あなたがたも同じようにしなさい。」(マタイ7:12)という聖句です。詩篇16篇は信仰の人ダビデが人生の危機的な困難を通して悟ったGolden Ruleです。それは同時に私たちにとってもミクタムと言えます。ダビデはヤハウェなる神に「神よ 私をお守りください。私はあなたに身を避けています。私は主に申し上げます。『あなたこそ 私の主。私の幸は あなたのほかにはありません。』」(詩16:1-2)と告白しています。敵から追われ荒野で過ごす中でダビデの避難所は神ご自身であると信じ「あなたこそ 私の主」であると告白しました。ダビデは人生の危機的困難を通らされている最中にしみじみそのことを悟らされたのではないかと思います。困難や苦難の中にいる時こそ、この御言葉を思い出し告白し繰り返し宣言してみましょう。その驚くべき神の力を体験できるでしょう。
続いて「主は私への割り当て分 また杯。あなたは 私の受ける分を堅く保たれます。割り当ての地は定まりました。私の好む所に。…」(詩16:5-6) モーセの時代、イスラエル12部族はそれぞれ神から約束の地を割り当てられましたがこれを嗣業といいます。しかしレビ族だけが嗣業の土地を与えられずそれは神ご自身だったのです。同様にダビデにとっても嗣業は神ご自身なのですから同時に天の御国も霊的祝福も嗣業となります。彼にとって実に素晴らしい譲りの地でした。その嗣業は今もイエスを信じるすべての人に与えられているのです。
重ねてイエスは天の御国に私たちの住む所を用意すると言われました。「わたしが行って、あなたがたに場所を用意したら、また来て、あなたがたをわたしのもとに迎えます。わたしがいるところに、あなたがたもいるようにするためです。」(ヨハ14:3)天の御国には十分な場所が与えられています。天の御国を仰ぎ見ながらこの地を力強く歩んでいきましょう。かつての私たちは罪の中に死んでいましたが、神はイエスを与えてくださり、その方を受け入れると永遠のいのちが与えられ約束の天の御国が嗣業として用意されていることを感謝しましょう。
次に「私はほめたたえます。助言を下さる主を。…私はいつも主を前にしています。主が私の右におられるので 私は揺るがされることがありません。」(詩16:7-8) 神は助言者としてどうすれば良いかを教えてくださるお方です。別の言葉では、カウンセラーとか顧問とも訳されています。しかし一方でサタンには注意しましょう。サタンは私たちがイエスから離れるように企てます。霊媒師や占い師、スピリチュアルな所に向かわせます。ですから私たちは目を覚まし霊的に目覚める必要があります。「聖書はすべて神の霊感によるもので、教えと戒めと矯正と義の訓練のために有益です。」(Ⅱテモ3:16)聖霊の助けを受けて御言葉から教えを受け、矯正や義の訓練をしましょう。ダビデが危機的困難な中でどうすれば良いか迷って神に求めた時、神は的確に答えられました。「あなたが右に行くにも左に行くにも、うしろから『これが道だ。これに歩め』と言うことばを、あなたの耳は聞く。」(イザ30:21)ダビデに語られた様に神は私たち一人一人に語りかけてくださっているのです。
「私はいつも 主を前にします。」(詩16:8)とは主を第一とすることです。ダビデは人生の中で神を第一としました。それは簡単なことではありません。神を自分の前に置き続け、神の国と神の義を第一としてイエスを見つめ続けましょう。「それゆえ 私の心は喜び 私の胸は喜びにあふれます。…満ち足りた喜びが あなたの御前にあり 楽しみが あなたの右にとこしえにあります。」(詩16:9-11)ダビデは神を第一にしたので苦しみや悲しみではなく喜びが、不安や恐れではなく安らぎがありました。私たちも彼のように神の前に出て行きましょう。
神は滅びの道ではなくいのちの道を知らせてくださいます。神の御前で大いに満ち足りた喜びを得ましょう。

≪分かち合いのために≫

  1. 神様に助言や導きを求めたことがありますか。
    どのような助言や導きを受け、その結果はどうでしたか。
  2. 神様によって体験された満ち足りた喜びや楽しみをお互いに分かち合ってみてください。

 今日の暗唱聖句

 

「あなたは私に いのちの道を知らせてくださいます。 満ち足りた喜びが あなたの御前にあり 楽しみが あなたの右にとこしえにあります。」   (詩篇 16篇11節)

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