「主に従う者を祝福する神」　　　創世期２６章１－１３節　　　井上　圭　伝道師

神はアブラハムを通して全世界を祝福する契約を結びました。それがイサクに引き継がれる時にイサクはアブラハム同様の信仰を求められました。イサクに注がれる祝福はイエスを信じる全ての者にも注がれるのです。
「あなたはこの地に寄留しなさい。…わたしは、あなたの父アブラハムに誓った誓いを果たす。…あなたの子孫によって、地のすべての国々は祝福を受けるようになる。」（創26:3-4）子孫の一人であるイエスを通して世界を治め祝福なさることが神のご計画であり、私たちが祝福の源として用いられることが神の願いです。また「わたしは、あなたを祝福する者を祝福し、あなたを呪う者をのろう。地のすべての部族は、あなたによって祝福される。」（創12:3）という約束は私たちにも適用されます。イサクを祝福の源として用いるには、イサクの信仰を作り変えていく必要があり、そのためにはアブラハム同様、試練を通して造り変えられる必要があるのです。「神よ　まことに　あなたは私たちを試し　銀を精錬するように　私たちを練られました。」（詩66:10）「彼のことばがそのとおりになるときまで　主のことばは彼を練った。」（詩105:19）この聖書の約束は全ての人に当てはまります。
イサクに飢饉という試練が訪れたのでイサクはエジプトに行こうと考えました。しかし神はエジプトには行かないように言われたのでイサクは神の声に従ってゲラルの土地に留まりました。エジプトに逃れることはこの世に助けを求めることである一方、神の言葉に従うことこそ神のご計画であり祝福を受け取る第一歩なのです。そして私たちの約束の地とは一つには天の御国でしょう。しかしこの地にいる時にも祝福を受け取ることができます。そのためには「わたしはぶどうの木、あなたがたは枝です。…わたしを離れては、あなたがたは何もすることができないのです。」（ﾖﾊﾈ15:5）とあるように神に繋がることが神の祝福を受け取る原則です。神は祝福を与えようと計画されています。神の約束の民は神の約束に留まって信仰に歩んでこそ祝福を受け取ることができます。
神は人の信仰を練りあげるには試練を用います。パウロも言っています。「…今しばらくの間、様々な試練の中で悲しまなければならないのですが、試練で試されたあなたがたの信仰は、火で精錬されてもなお朽ちていく金よりも高価であり、イエス・キリストが現れるとき、称賛と栄光と誉れをもたらします。」（Ⅰﾍﾟﾃﾛ１:6-7）初めは喜べない状況でもまるで金のように高価なものとしてあなたを整えてくださいます。アブラハムやイサクでさえ、いつも完璧な決断ができたわけではありませんでした。失敗や不信仰なことをしても神は見放さないお方です。神は試練を通して私たちの信仰を練り上げるお方なのですが、私たちがそう受け取ることができてこそ試練の見方が変わり意味が分かるのです。辛い試練も自分の信仰を磨き祝福の源へと造り変えられると信じましょう。
イサクは妻リベカを妹と偽って自分の命を守ろうとしました。人間的な恐れから誤った決断を下したのです。その嘘は妻の身を危険にさらし、夫婦関係も傷つけました。このようなイサクの失敗を聖書が記録しているのは私たちにとって教訓と励ましになるからです。神はピンチの時でもその状況に介入され、様々な方法で導いてくださいます。神は神の契約の民をいつも守って下さるお方です。「私の助けは主から来る。天地を造られたお方から。」(詩篇121:2)　という御言葉のとおりです。神はご自分の民を必ず守り助け出してくださいます。根本には愛が溢れているからです。「愛には恐れがありません。全き愛は恐れを締め出します。恐れには罰が伴い、恐れる者は、愛において全きものとなっていないのです。」（Ⅰﾖﾊ4:18）私たちが神につながって留まり続け、その愛を受け取り続けるなら恐れることはありません。使徒たちはみな殉教して行きましたが、彼らは完全な神の愛に満たされており、恐れることなくただ主の御名をあがめて最期を迎えたのでした。
「イサクはその地に種を撒き、その年に百倍の収穫を見た。主は彼を祝福された。」（創26:12）　イサクは祝福を見ることができました。信仰によって彼の人格は磨かれ整えられ、神の祝福を受け取りました。私たちも神に繋がり、試練で磨かれ、イエスへの信仰を通して百倍の祝福を受けるものとなりましょう。

≪分かち合いのために≫

1. 試練に遭った時、どのような態度を取りますか？
2. 危機的な状況から神様が守り導かれたことはありますか？

　今日の暗唱聖句

「わたしは、あなたを祝福する者を祝福し、あなたを呪う者をのろう。地のすべての部族は、 あなたによって祝福される。」（創世記１２章３節）