「福音の力の回復」　 　 ローマ人への手紙12章14節－17節　 　西田育生牧師

二つの翼の養育プロセスを採用しています。二つの翼とは、大礼拝（主日礼拝）と小礼拝（少人数による親密な集い）の意味であり、み言葉と聖霊の力という意味もあります。養育システムの目的は ①福音の絶対的力の回復 ②イエスの弟子を作るビジョン ③神がデザインされた健康な教会を回復し建て上げること　の３点です。このうち、福音の力の回復について考えましょう。　エバンゲリオンという言葉を聞いたことがあるでしょう。もとはユアンゲリオンといい、戦いの勝利を国王に知らせるために走りぬいた使者のことを言います。つまりイエス・キリストが十字架で勝利したことが福音であり、私たちはそれを伝える使者だというのです。
イエスが十字架に架かられたことにより私たちは神の前に罪赦された者となりました。「時が満ち、神の国が近づいた。悔い改めて福音を信じなさい。」（ﾏﾙｺ1:15）とイエスは至る所で福音を信じるように解き明かしていま
す。福音にはサタンの力をも打ち砕く力があるし、私たちが罪赦された喜びによって今までできなかったことが
できるようにさせて下さったのです。「悔い改める」とは方向転換して神の方を向き直し、福音に生きようとすること
です。更に「主の霊がわたしの上にある。貧しい人に良い知らせを伝えるため、主はわたしに油を注ぎ、わたしを遣わされた。捕らわれ人には解放を、目の見えない人には目の開かれることを告げ、虐げられている人を自由の身とし、主の恵みの年を告げるために。」(ﾙｶ4:18-19)　と、福音の力は私たちの生活全般に好影響を与えます。別の所では「私たちの戦いの武器は肉のものではなく、神のために要塞を打ち倒す力があるものです。私たちは様々な議論と、神の知識に逆らって立つあらゆる高ぶりを打ち倒し、また、すべてのはかりごとを取り押さえて、キリストに服従させます。」（Ⅱｺﾘﾝﾄ10:4-5）　とあるように福音がいかに強い物かがわかります。
私たちはともすれば福音の力をそんな大きな力はないと矮小化してしまいます。福音はキリスト教の教えの一つであり、道徳の教え程度だと解釈する傾向があります。ここで「力」の語源をたどるとダイナマイトと同じです。福音はダイナマイト程に大きな力があることを聖書は示しています。それほど大きな力を得るにはどうすればいいでしょう。「 『見よ、ここだ』とか、『あそこだ』とか言えるようなものではありません。見なさい。神の国はあなたがたのただ中にあるのです。」(ﾙｶ17:21)すでに天の御国を私たちのただ中に持っているのです。福音の力、聖霊の力は私たちのただ中にあるのです。「バプテスマのヨハネの日から今に至るまで、天の御国は激しく攻められています。そして、激しく攻める者たちがそれを奪い取っています。」(ﾏﾀｲ11:12)　とあります。「激しく攻める」とは力強く到来しているという意味です。私たちの視点、問題点から見ると気持ちが弱くなり信仰は弱まってしまいます。問題が起きても神の視点から見て力強く前進しましょう。激しく、積極的に神の力を求めましょう。
聖書には福音の力、神の力を引き出した人の話が出てきます。盲人バルティマイは「ダビデの子イエス様、私をあわれんでください」（ﾏﾙｺ10:47）と叫んだ挙句「先生、目が見えるようにして下さい。」（ﾏﾙｺ10:51）と懇願し、見えるようになった上「あなたの信仰があなたを救いました。」（ﾏﾙｺ10:52)とイエスに言わしめました。「十二年の間、長血をわずらっている女の人」（ﾏﾙｺ5:25）が群衆の中にあって「あの方の衣にでも触れれば、私は救われる」(同28)と信じ、イエスの衣に触るとすぐに癒されました。そしてイエスは「娘よ、あなたの信仰があなたを救ったのです。安心して行きなさい。苦しむことなく、健やかでいなさい。」（同34）と平安を与えました。
福音の力は人を変え人生を変えて下さるのです。神の前にあきらめることなく祈り続けましょう。

≪分かち合いのために≫

1. 福音の絶対的力を体験しておられますか。
2. 福音の力を矮小化させてしまうものはないでしょうか。
3. 福音の絶対的力が現わされるようになるにはどのようにすればよいでしょうか。

　今日の暗唱聖句

「私は福音を恥としません。福音は、ユダヤ人をはじめギリシア人にも、信じるすべての 人に救いをもたらす神の力です。」　（ローマ人への手紙　１章１６）