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NO.848 2024.11.17

「マイナスは必ずプラスになる」

 

「神を愛する人たち、すなわち、神のご計画にしたがって召された人たちのためには、すべてのことがともに 働いて益となることを、私たちは知っています。」(ローマ8:28)

 

私たちの人生には時に思いがけないような苦難や試練が訪れることがあります。そのような時、なぜこんなことが私の人生に起きるのか!?と絶望的な気持ちになることがあります。信仰者であっても、「どうして神様、このようなことが私の人生に起こるのですか!?」と溜息まじりに呟いてしまうのではないでしょうか。しかし、ローマ書8章28節の御言葉は私たちにこう語り掛けてます。「神を愛する人たち、すなわち、神のご計画にしたがって召された人たちのためには、すべてのことがともに働いて益となることを、私たちは知っています。」(ローマ8:28)。日本のことわざで、「災い転じて福となす」という言葉があります。身に降りかかった災難を逆に利用して、幸せになるように取り計らうといよう意味です。にある有名な牧師先生がよく使われる言葉があります。それは「マイナスは必ずプラスになります」という言葉です。
マイナスは必ずプラスになるという人生を歩んだ、田原米子さんというクリスチャンの女性がいます。彼女が書いた「生きるって、すばらしい」という本の中に彼女の壮絶な人生が記録されています。彼女が16歳の時、母親が脳溢血で亡くなりました。彼女は母親をとても慕っていたので突然の母の死に絶望し、生きる希望を失いました。そして18歳の時、彼女は鉄道自殺を図りました。しかし死ぬことが出来ず、病院のベットで目覚めます。目覚めた彼女の姿は痛々しいものでした。包帯をぐるぐる巻きにされた両足は左足が膝下から、右足が足首のあたりからありませんでした。また左腕は肩の付け根から切断され、右手はわずか3本の指だけがあったのです。彼女はベットで動くこともできず、「なぜ死なせてくれなかったの!こんな体で、3本の指だけでどうやって生きていけるというの!」と泣き叫ぶ日々でした。
しかしある日、彼女のもとに一人の宣教師と一人の青年がお見舞いに来ます。最初は彼らが訪ねて来ても
冷たい態度を取りましたが、全く動じることなく笑顔で関わり続け、いつも誠実に接してくれました。ある時、彼らが置いていったテープに流すとイエス様の十字架の愛が語られていました。彼女は「イエス様なら私の苦しみを分かってくれる。この方の愛に掛けてみよう。」と決めました。翌日、彼女の心に喜びが戻り、すべてが新しくされたようでした。そして「たった3本の指で何が出来るのか」とマイナスに思っていた彼女の心に変化が与えられ、「神様は私に3本の指を残してくれた」とプラスに捉えることができるようになったのです。
その後、彼女のお見舞いに来てくれていたクリスチャンの青年と結婚し、彼女に二人の女の子にも恵まれました。彼女は妻として母として立派にその働きをしました。そして自分の体験を積極的に講演という形で証しるようになり、多くの人々に、特に障害のある人たちに希望と励まし、神の愛を語り続けていきました。
私たちは人生で問題や困難が襲ってくるとマイナスに捉えてしまうことが多いのではないでしょうか。「もうダメだ」「私は無理だ」と失望・落胆することがあるでしょう。けれどマイナスに思える時にこそ、神様に心から助けを祈り求めましょう。神様はどんな苦しみや痛みも知ってくださるお方です。そして神様が必ずすべてのことに働きかけてくださり、プラスにしてくださる、益にしてくださると信じましょう。今置かれている状況がマイナスにしか思えなかったとしても、神様のご計画のうちにはどのような出来事もやがて益とされると信じます。

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