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NO.373 2015.10.11

 「基礎の大切さ

 

その人は、地面を深く掘り下げ、岩の上に土台を据えて、それから家を建てた人に似ています。
洪水になり、川の水がその家に押し寄せたときも、しっかり建てられていたから、びくともしませんでした。
(ルカの福音書6:48)

 

今、横浜のマンションが傾いている問題が大きく取り上げられています。本来なら杭打ち工事の時に強固な地盤にまで杭を打ち込まなければならないのですが、十分な地盤調査が行われないまま工事が進んでしまいました。結果、何本かの杭が地盤に到達しておらず、マンションが傾てしまう事態となってしまいました。
調べるにつれ、つじつま合わせのデータの改ざんがあったり、セメントの強度が不足していることもわかりつつあります。大きな地震などが起これば、耐えられない可能性もあり、住民の方々には不安が広がっています。また、この杭打ち工事を請け負った会社はほかにも3000棟以上の工事をしており、同様なデータの改ざんや不正な工事の可能性も指摘され、さらに問題が拡大する恐れもあります。建築の土台の工事は見えない部分なので、チェックすることがなかなか難しいようです。何年か後に、傾きなどの事態が起こって問題化するので、さらに状況は悪化してしまいます。
建築に限らず、私たちの人生も土台が大切です。土台が十分に据えられていないと、試練や困難なことが起こると、それに耐えられず倒れてしまうことになります。
聖書は、み言葉を聞いてそれを行う人のことを、地面を深く掘り下げ、岩の上に土台を据えて、それから家を建てた人」にたとえています。洪水が押し寄せてきても、しっかり建てられていたので、びくともしなかったというのです。それは地面を深く掘り下げ、岩の上に土台を据えていたからです。反対に、聞くだけの人は土台ができませんから、洪水に耐えられず倒れてしまいます。
み言葉を聞いてそれを実践していくこと。それは地面を深く掘り下げていく作業です。これは基礎の部分ですから、手を抜いてはいけません。ここで手を抜いてしまうと、硬い岩の上に到達しないで、軟弱な土壌の上に土台を据えることになり、あとで大きな洪水が起こると流されてしまうことになります。
地面を深く掘り下げる作業は地道な作業です。毎日の作業になります。すぐに変化は表立っては現れてきません。しかし、この作業が大切です。固い地盤に到達するまで、その作業をやめてはいけません。
最後は固い岩に杭を打ち込みます。しかし、岩を砕くにはエネルギーがいります。最後のくい打ち作業は一番手間取るかもしれません。しかし、あきらめず繰り返し、繰り返し、打ち続けるのです。すると固い岩にも穴が開き、そこに杭を打ち込むことができるようになります。このような作業を通して、初めて、硬い土台の上に家を据えることができるのです。
毎日の聖書通読、黙想の時、祈り、これらはすべてが地面を深く掘る杭打ち作業だと考えてください。きっと後で継続していてよかったと思う時が来ます。揺れていた心が落ち着きを取り戻し、悩みや試練の中でもうろたえることが少なくなります。心が安定し、物事を信仰的な目で見ることができるようになってきます。神が共におられる人生の豊かさを経験できるようになります。
人を見るのではなく、神を見る。そのような信仰的な心の構えができてくるのです。目に見えない杭打ち作業を今日もしっかりとおこなっていきましょう。あなたの人生は揺るぎないものになりつつあるのです。

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