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NO.370 2015.09.20

 「成長のプロセス

 

そこでイエスは十二弟子を任命された。それは、彼らを身近に置き、また彼らを遣わして福音を宣べさせ、悪霊を追い出す権威を持たせるためであった。(マルコ3章14節-15節)

 

孫はかわいいと言いますが、本当にそうです。生まれて7か月ですが、つかまり立ちができるようになりました。前歯も2本生えてきています。手にするものはなんでも口にもっていっていこうとしますから、お母さんもつきっきりです。孫の表情やしぐさを見ていると飽きることがありません。孫の成長する過程を見ながら、人はこのようにして育っていくのだと改めて思わされます。
 さて、私たちはどうでしょうか。小さい赤ちゃんはその変化も大きいですが、大人になると目立って急に成長するということが少なくなります。時には全然成長していないのではないかと自分自身の成長の遅さや少なさに失望する思いになることさえあります。また時には、自分のことは棚に上げて、人を厳しい目で見てしまいます。あの人は全然変わっていない、とあれこれと指摘したくなったりするので、気を付けなければなりません。人を変えようとするのではなく、自分自身が変えられることをまず第一に求めるようにしたいものです。
では、イエスはご自分の弟子をどのように整えられたのでしょうか。まず選ばれたのは12弟子です。しかし12人を見ると過去にいろいろな職業や環境があったことがわかります。漁師、元乞食、取税人、右翼団体員・・・。性格も様々です。カッとすぐなってしまうので「雷の子」というあだ名をもらった人もいます。疑い深い人もいれば、計算高い人もいました。イエスを裏切ったイスカリオテのユダもいました。私だったらこんな人たちは選ばないのではないかと思う人たちです。扱いにくい人ばかりで、どうやってまとめようとかと思ってしまいます。この人たちは本当に弟子になるんだろうかと思ってしまうほどです。
しかし、イエスは彼らを「望んで」選ばれたのです。イエスの視点は私たちの視点とは違っていました。彼らは確かに多くの失敗をしました。十字架を前にイエスを見捨ててみんな逃げ去ったりしました。しかし、イエスは彼らが聖霊に捉えられるとき、大きく変えられることを見ておられたのです。彼らの可能性を信じ、忍耐強く彼らに寄り添っていかれました。
イエスは12弟子を「身近に置き」ました。身近に置いて、生活を共にしながら、イエスの信仰、神のビジョン、信仰者の生活態度、それを3年半かけて養育されていかれました。インターンとして彼らを福音を宣べ伝えるために派遣もされました。さらには「悪霊を追い出す権威」を賦与され、権限を委任されて遣わされたのです。
そのようにして、イエスは弟子たちを繰り返し、繰り返し、育てていかれました。その訓練はやがて、イエスの十字架と復活後、聖霊の満たしを体験することによって、結実していくことになるのです。
成長はプロセスであることを覚えたいと思います。何度も失敗することもあるかもしれません。それでも大丈夫です。イエスは私たちを見守っていてくださり、成長することを信じてくださるのです。自分自身があきらめないようにいたしましょう。聖霊に助けられながら、チャレンジし続けていこうではありませんか。

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