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NO.357 2015.06.21

 「天を仰ぐ

 

そして、彼を外に連れ出して仰せられた。
「さあ、天を見上げなさい。星を数えることができるなら それを数えなさい。」
さらに仰せられた。「あなたの子孫はこのようになる。」(創世記15:5)

 

花が上を向いて 咲いている 私は上を向いてねている
あたりまえのことだけれど 神さまの深い愛を感じる

 

星野富弘さんの詩です。脊椎損傷で寝たきりになった星野さん。事故当初は絶望と悲しみで、もだえ苦しんでいた彼が、神様の存在を知り、キリストを信じるようになりました。やがて、今までは嘆きの天井でしかなかったものが、その彼方の天上の神を仰ぎ見るように変えられたのです。
体が動かず、天井を見ることしかできなくなったことで、天上の神を見ることができるようになったのです。花も上を向いて咲いている。自分も上を向くものとされた。神が造られたもの全ては、上を向くように造られている。神の深い配慮と愛を見出した富弘さんの実感がこの詩には込められているようです。
人間はギリシャ語で「アンソロポス」と言います。それには「天を仰ぐ者」「祈る者」「上を見上げる者」という意味があると言われています。人の本来の姿を言っているようではありませんか。神が願われている人の姿,それこそ、「天を仰ぐ者」です。
創世記に天を仰いだアブラハムの話が出てきます。信仰の父と言われているアブラハムには100歳まで子供がありませんでした。神様は子孫を与えるとアブラハムに約束されていたのですが、アブラハムの願うように子供は与えられませんでした。ある時、なかなか子供が生まれないので、アブラハムは神様に不満を言いたくなりました。
「あなたが子どもをくださらないので、私のしもべを養子として迎えることでしょうか。」神様はアブラハムのことばに「いやあなたから生れる者があなたの後を継がなければならない」と応答されます。
そして神様はアブラハムを天幕の外に連れ出されます。満天の星を見させながら、「さあ、天を見上げなさい。星を数えることができるならそれを数えなさい。」「あなたの子孫はこのようになる。」と約束されるのでした。アブラハムは天上に無数に輝く星が自分の子孫の顔のように思えたに違いありません。「彼は主を信じた。主はそれを彼の義と認められた。」(創世記15:5)とあります。天を仰いで、星を見上げたアブラハム。そこに神様の約束の確実性をしっかりと見取ったのです。
私たちを導いておられる神様を見上げておられますか。私たちも神が願われる本来の姿を取り戻しましょう。周りの人や状況ばかり見て振り回されてはいませんか。天上の神様は私たちを絶えず導いてくださるお方です。
イエスキリストを遣わし、そして今聖霊様を送って私たちを助け導いておられるのです。静まって神を仰ぎ見ましょう。騒ぐ心が落ち着き、神が助け導いてくださるという確信を祈りの中で持ちましょう。毎日しっかり神の約束を握って立ち上がりましょう。勝利は神を仰ぐあなたのものです。

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