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NO.167  2011.10.30

「熱い証し」

 

そこで、彼は立ち去り、イエスが自分にどんなに大きなことをしてくださったかを、
デカポリスの地方で言い広め始めた。人々はみな驚いた。
(マルコ5:20)

 

昨日は劇団ぶどうの木による「塩狩峠」の公演が生涯学習センターにおいて行われました。多くの方々が来場され、素晴らしい証しの時となったことを感謝いたします。今回は当教会のVIP浅草が共催となり浅草の地にふさわしい公演となりました。
 ご存じのように「塩狩峠」は事実を元にして三浦綾子さんが小説化したもので、一人のキリスト者が身を挺して塩狩峠を逆走する列車を止め乗客の命を救うというものです。大学時代この塩狩峠の映写会を何十回も開いた事を思い出しながら、今度は演劇と言う形で証しがされたことの素晴らしさを覚えました。鱗場館溢れる公演は多くの人々の心を揺さぶったに違いありません。
 この劇団ぶどうの木のメンバーの方々は本郷台キリスト教会の若い兄弟姉妹たちが中心となって構成されています。目的はもちろん演劇を通してキリストの愛を伝えると言うことです。しかし、そのための努力は並大抵のものではありません。日夜練習を重ね、プロの演技指導を受けて励んでおられるのです。公演を見ながら彼らの熱い思いが本当に伝わってきました。単に役を演じるというのではありません。そのセリフは彼らの証しそのものではなかったでしょうか。その熱さ、熱意が多くの人達の心を動かしたのではないでしょうか。
 塩狩峠の主人公、長野青年もキリストに出会ったように、聖書にはイエスに出会った多くの人達の記事が出てきます。ゲネサレ人で墓場を住みかとし、夜昼となく叫び続け、自分を傷つけ、鎖を引きちぎっていた男の話もその一つです。悪霊に疲れ、誰も彼を制することが出来ませんでした。しかし、イエスに出会って彼は正気になります。なんと、彼の中から2000もの悪霊が出ていったと記されています。
 以前とは打って変わって落ち着きを取り戻した彼は、着物を着て、静かに座ることができるようになっていました。ついて行きたいとイエスに申し出ましたが、「あなたの家、あなたの家族の所に帰り、主があなたにどんなに大きな事をしてくださったか、どんなにあわれんでくださったかを、知らせなさい。」と言われたイエスのことばに従って、デカポリス、すなわち10の町々で神がなされた救いの業をみんなに、言い広め始めたのでした。そのあまりの喜びと力強さに人々は戸惑いました。また以前の彼路は全く変わり、正気になっている姿に人々は驚きを隠せませんでした。これが証しの力です。
 私たちはこのような証しの恵みがあることを忘れてはなりません。あなたの内に主がどのように素晴らしいことをしてくださったかをもう一度思い返してみましょう。それは決して小さな事ではなく、神の奇跡なのです。自分の不十分さや足りなさでその恵みが消えてなくなることは決してないのです。その主の恵みをいつも数え、主のお言葉に従っていこうではありませんか。

 伝えれば伝えるほど、その喜びはあなたの中で増幅していきます。語りながら自分に感動を覚えるほどです。イエスがなされたこの熱い奇跡の業を喜び感謝しようではありませんか。もっと単純に喜び、単純に感謝し、単純に語ろうではありませんか。神の聖霊の御業が起こるのです。

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