■黙想エッセイ
祈りの意味を、ひよこが卵の殻を破って出て来る様子にたとえて説明することができます。ふ化する卵の中からひよこがつつくと、卵の外から母鶏が一緒につつくそうです。実際にふ化する時になると、ひよこが中から殻をつついているとき、その音を聞いて母鶏が外側からも殻を破ってやろうとします。卵の内と
外から、ひよこと母鶏が同時につつくことによって、健康なひよこが生まれるのです。
母鶏がいくら外から殻をつついても、卵の中のひよこがじっとしていては殻はびくともしません。また、ひよこが卵の中からいくら一生懸命殻をつついても、母鶏が一緒につついてやらなければ、ひよこは世に生まれ出てくることはできないのです。
殻の境界を打ち破って2つの存在が出会うとき、全くう世界が開かれる神秘に驚かされます。
祈りの原理はこれと似ています。神様がすべてやってくださるのだから、祈る必要などないのではないかと言う人は、祈りの本当の意味を知らないのです。神様は、祈りを通して私たちを新しく生まれ変わらせようとしておられるのに、私たちがじっとしているならば何も起こりません。悔い改めの祈りを通して、罪の殻の外に出て来なければならないのです。感謝の祈りを通して、絶望の殻の外に出て来ましょう。祈りは、いのちの道へと招いてくださる神様の御声に対する私たちの応答なのです。