■黙想エッセイ
だれの人生にも紆余曲折があるでしょうが、私が歩んできた人生も決して順調ではありませんでした。幼い時、 小児麻痺にかかったことを皮切りに、大学進学にも失敗し、家計が苦しくなり、弟を早くに天に送らなければなりませんでした。どうしてこのような苦難が起こるのか分からず、孤独の中でもがいていたとき、詩篇を読みました。詩篇を読んで祈っていると、すべての苦しみが懐かしい思い出のように遠ざかり、私の視線は神様の栄光が再び太陽のように昇るところに向いていました。
大きな苦難を乗り越えた時を思い返してみると、自分の状況に不平を言わなくなっていたことに気づきました。詩篇を読みながら神様に信頼できなかったことを悔い改め、神様がいつもともにいてくださることに感謝しました。すると、神様の愛がとてつもなく大きく感じられ、こんな私がこれほど大きな恵みを受けてもいいものかと思うほどでした。詩篇は、神様が与えてくださった大きな祝福です。信仰の先達たちが荒野のような人生の中で苦難にあうたびに、それを克服した証しが詰まっている宝庫です。
絶望の中にいた私がイスラエル留学へと導かれ、牧会者となった今でも日々黙想する詩篇は、私の心の中で生きて働き、私を動かす力になってくれます。何もないように感じられる状況でも、いつも握ることのできるみことばがあるというだけで、私の心は強くされます。罪の中にいた私をこのように生かし、さらには永遠に生かしてくださる神様のことばを私は愛します。