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◆主と共に生きる◆信徒の証し

NO.135  2020.02.02

■【洗礼への導き】証後編  石川 達

 

父が学位を取得した後、家族で1972年5月15日の沖縄の本土復帰に間に合うよう沖縄に戻りました。私は、沖縄と広島で学生生活を終えて東京で就職しましたが、アメリカで勉強したいという思いが募り、30代に入ってアメリカの大学院へ留学しました。専攻は分子生物学、生化学で遺伝子の発現を研究する分野です。残念ながら学位の取得までは至りませんでしたが、アメリカでの勉強、研究の厳しさを感じつつも貴重な日々を過ごすことができました。科学者には無神論者が多いのではと思われるかもしれません。しかし、意外とそうでもありません。特に、遺伝子を扱う分野、物理学の分野には信仰を持つ方が多いように思います。あのニュートンも神学者でもありましたし、昨年、吉野先生がノーベル化学賞を受賞したことで話題になった「ロウソクの科学」の著者でアインシュタインも尊敬する化学者ファラデーも熱心なクリスチャンだったそうです。私のアメリカ留学時代の指導教官も日曜日は必ず家族で教会に行かれる方で、実験の合間に、科学では超えられない、創造できないものがあることを語ってくれました。素粒子物理学を研究するロシアや東欧出身の研究者が、アメリカ人学生と熱く神様の存在について語り合っていたこともありました。
このように歩んできた私ですが、信仰を持つことに関心はもちつつも、教会とは程遠い生活を送り月日は流れ、昨年、個人ではどうにもならない、どう向き合えばよいのかわからない事が起ってしまいました。自分を変えたい、でも、どうすればよいのか全くわからない・・・。そんな中、ふとインターネットで検索し、辿り着いたのが西田先生でした。東京ホープチャペルに西田先生をお訪ねしたのが昨年の5月30日、それ以来、洗礼を受けるに値する人間なのかと悩んだ時期もありましたが、西田先生、教会の皆様の励ましのお陰で前を向けるようになり、12月15日に洗礼を受けることができました。アメリカで初めて教会を訪れてから48年後のことです。今では、信仰を持つことによる恵みを感じ、心のよりどころができつつあります。これからまだまだ壁はあると思います。しかし、「患難が忍耐を生み出し、忍耐が練られた品性を生み出し、練られた品性が希望を生み出す」(ローマ5:3~4)、私もそうありたい、どんな状況にあっても前を向けるクリスチャン、そして、いつか、励ます側、用いられる側になれるクリスチャンになりたいと思います。(石川 達)

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