■古川真理
2017年2月に、会社の都合で解雇通告を言い渡されました。その後、同業他社での仕事が与えられたことはもちろん感謝すべきことです。しかし、入社してからの半年間程は、前職を解雇されたという現実を受け入れることができませんでした。そして、人のことを持ち上げておきながら、いとも簡単に私のことを切り捨てた前職の上司たちを見返すことしか考えていませんでした。そのような被害者的な気持ちで仕事に取り組んでいましたので、気持ちだけが空回りし、仕事自体は好転しませんでした。
しかし、私はある時ふと気づきました。「私は、一体何のために仕事しているんだ?」と。
折しも、2018年3月下旬頃に「癒しのワークショップ」があり、参加されたある兄弟が何年も持ち続けてきた怒りの感情を手放し、仕事も家庭もすべてがうまくいくようになったという証を聞きました。私はその証に大変興味を持ちました。なぜなら、状況は違えど、「呪いをかけていた」という点に関して、私との共通項を見出したからです。私はその動画が入ったUSBメモリを購入し、自分なりにワークを行ってみたり、その後開催されている演習会にも参加させていただきました。
前職で解雇を宣告されたとき、神様はわざと陥れようとしている、と本気で思っていました。しかし、「神様を怒りの対象にしてはいけない」と無理やり自分に言い聞かせていました。ところが、シューミン先生は神様へ怒りの矛先を向けていいとおっしゃっていました。そして、その怒りを神様に差し出すようにとご教示いただきました。私は迷わずそうしました。なぜなら、私にとって本当に怒りの対象となるのは、当時の勤務先の上司たちではなく、神様であると自覚していたからです。すると、これまでの一年間で抱いてきた怒りや憎しみ、失望といった否定的な感情を手放すことができました。その時、ここしばらく味うことがなかった心の平安が訪れたのです。そして、ぼろぼろと涙が止まりませんでした。ようやく1年間の呪縛から、自分を解き放つことができたのです。そして、その当時ある意味思い上がっていた私を神様は砕いて整えて下さったのだと、そこでようやく気づくことができました。「神は真実な方ですから、あなたがたを耐えられないほどの試練に会わせることはないません。むしろ、耐えられるように、試練とともに脱出の道も備えてくださいます。」(Ⅰコリント10:13)ということを身をもって体験しました。
GW中にSNSのアカウントにて、上記の証を投稿したところ、私が想像する以上の反響がありました。中でもクリスチャンでもない方から、「読んで勇気が出ました。」や、「私も今直面している問題に向き合っていこうと思います。」などといったコメントが多数寄せられました。しかも、ネット上での交流のみで、実生活でお会いしたことのない方々ばかりです。私の拙い証でも、人を勇気づけることができたのならこの上のない恵みです。「神を愛する人々、すなわち、神のご計画に従って召された人々のためには、神がすべてのことを働かせて益としてくださることを私たちは知っています。」(ローマ8:28)ということも、また実感しました。
今では、今回の経験を活かして、私と同じような経験をして行き場をなくされた方のお力になったり、会社だけに頼らない自己の価値の向上といったことを発信して行きたいと思うようになりました。そして、このような私の働きが、まだ神様を知らない方々にとって神様へ繋がる一助になることができれば幸甚に思います。
「弱いときにこそ、私は強い。」(Ⅱコリント12:10)(古川真理)