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NO.017  2010.09.30

「神のシナリオ」

 

主のみ名を賛美します。
 あれほど続いた猛暑も終わり、急に秋の気配を感じる頃となりました。急激な温度変化に体調を崩しておられる方もおられるかもしれません。神様の守りと支えが豊かにありますようにお祈りしております。
各地で秋の体育祭や稲刈りも始まっているようです。さわやかなこの秋の季節を楽しみつつ、実り多い日々を歩んでまいりましょう。
さて、ここ最近、国内外に大きな事件が続いています。一つは尖閣諸島を巡る中国との関係の悪化です。先日、尖閣諸島付近で領海侵犯をし、日本の巡視船に故意に衝突したという罪で、衝突した漁船の船長が日本の海上保安庁によって逮捕されました。しかし、このことに端を発して、尖閣諸島の領有権を主張する中国が態度を硬化させ、次々と対抗処置を執るようになりました。税関検査の厳格化や携帯や液晶、ハイブリッド車などに欠かせないレアアース(希土類元素)の日本輸出へのストップ。さらには軍事施設の無断撮影をしたとして日本の商社マン4人を拘束してしまいました。こうした中国の強硬姿勢に押された形で日本側は検察が処分保留のまま船長を釈放。しかし、その対応を巡って、中国側の強硬姿勢に負けたしまったと与野党の議員からは日本政府の弱腰外交を批判する動きが強まっています。

今現在、中国側は拘束した4人のうち3人を釈放したようですが、なお一人拘束し続けていて、未だ完全な問題解決には至っていません。
しかし、これらは目前の問題ですが、背後には中国の尖閣諸島の領有権の既成事実化に向けたしたたかな戦略があるようです。中国は自国の拡大戦略のシナリオに従ってすべてを動かしている感があります。日本も場当たり的な外交ではなく、しっかりとした外交姿勢を持って国際社会で存在感を示してもらいたいと思います。
また一方、国内に於いては、郵便不正事件を取り調べていた検察官が押収したフロッピーディスクを故意に改ざんし逮捕されるという前代未聞の事件が起こりました。検察特捜部や検察機構のあり方にまで問題が発展しそうな勢いです。辣腕で知られる検察部長が起こした事件でしたが、ここにも検察部長の想定したシナリオが存在していることが明らかになりつつあります。前提となる事件のシナリオがあって、それに合うような証拠固めや、容疑者の取り調べ、調書の作成がおこなわれていたようです。そのために逮捕され取り調べを受けた厚生労働省の女性局長は、一時失職し、世間の疑いの目にさらされることになってしまいました。
どちらの事件も内容は違っていますが、背後に隠されたシナリオがあってそれに従って事実が作られて行くという点において共通点があるように思います。国の思惑や個人の思惑によって描かれたシナリオが先行するようになると、時には事実が押し曲げられてしまい、周りに多くの混乱と痛みをもたらしてしまうことにもなるのです。イエスキリストも当時の宗教指導者達の謀略のシナリオによって無実の罪で十字架につけられてしまいました。何が真実で事実であるかを私たちはしっかりと見る目を養わなければなりません。
悪意のあるものは別として、自分の人生のシナリオを描くことは必要なことです。行き当たりばったりではなく、どのような人生を生きたいかを考え、ビジョンや計画、目標に向かって歩む事は大切なことです。しかし、同時にそれを思い巡らすとき私たちは、自分のシナリオだけではなく、神が私たちに持っておられる計画があることを忘れてはなりません。いわゆる私たちに対する「神のシナリオ」です。
この神のシナリオを見出して、それに自分の人生のシナリオを重ね合わせていくとき、本当の意味での豊かな人生を送ることが出来るのです。

 

ヨハネが捕えられて後、イエスはガリラヤに行き、神の福音を宣べて言われた。
「時が満ち、神の国は近くなった。悔い改めて福音を信じなさい。」 
ガリラヤ湖のほとりを通られると、シモンとシモンの兄弟アンデレが湖で網を打っているのをご覧になった。彼らは漁師であった。イエスは彼らに言われた。「わたしについて来なさい。人間をとる漁師にしてあげよう。」 すると、すぐに、彼らは網を捨て置いて従った。 (マルコの福音書1:14-18)

 

Ⅰ 神は神のシナリオ〔計画〕を実行される
神の人に対するシナリオ。それは人々を罪から救うという素晴らしい救済のシナリオです。アダムとエバが罪を犯して以来、神は「あなたはどこにいるのか」と人を探し求めてこられました。そうして神はその救済の計画の要であるイエスキリストを私たちのところに送ってくださったのです。今までの自分中心の生き方を捨て、方向転換をし、福音、すなわちイエスキリストご自身を救い主として信じるときに、神との交わりを回復することができるのです。それが神の計画です。
 「時が満ち、神の国は近くなった。悔い改めて福音を信じなさい。」 というイエスの第一声がこの神の救済の歴史のクライマックスが到来したことを表しています。神の時が満ちた。神の救いの時がいよいよ来た。神の国が到来した。と宣言しておられるのです。そうしてその救済のシナリオは、今この時も進行しているのです。この素晴らしい神の救済の歴史の只中に立っていることを認識したいと思います。

 

Ⅱ 神のシナリオへ招かれる
 イエスは神の国の福音を語り始められたとき、最初にされたことがありました。それは弟子達の招集です。ガリラヤ湖畔を歩きながら、目を留められたのが猟師であったシモン〔ペテロ〕と彼の兄弟アンデレでした。彼らの姿をじっとご覧になられて声をかけられました。「わたしについて来なさい。人間をとる漁師にしてあげよう。」 その招きに呼応して、彼らは網を捨ててイエスに従っていきました。更に続いて、ゼベダイの子ヤコブとその兄弟ヨハネにも声をかけられ、また彼らも従っていったと記されています。
 神は現代にも同じように、神のシナリオを実行する弟子達を求めておられます。あなたを神の計画の遂行のために選ばれているのです。イエスを信じる恵みにあずかった私たちは、同時にイエスの弟子としての招きにあずかっていることになるのです。もちろん、未だその自覚はないかも知れません。どのようにして弟子になれるのか、その導きも受けていないかも知れません。しかし、イエスはあなたを神の計画を担う弟子として招いておられるのです。
 最初から一人前の弟子は存在しません。ペテロやアンデレは魚を捕る猟師でした。いくらイエスが「人間を取る猟師にしてあげよう」と言われても、魚を捕るのと人を取るのとではわけが違います。最初から戸惑いの連続だったに違いありません。しかし、3年半の間イエスのそばにいて、学び、訓練を受け、次第に整えられていったのです。
弟子達の中には色々な職業の人がいました。猟師だけでなく、収税人もいましたし、もと乞食をした男もいました。さらには熱心党と呼ばれる、今の右翼団体のような党員もいました。でも、みなイエスに呼ばれ弟子として変えられて行ったのです。
今の日本の社会は混迷を深めています。今までにも増して日本には神の救いが必要なのです。イエスは「時は満ち、神の国は近づいた。」と宣言され、人々が「悔い改めて福音を信じる」ために私たちを招いておられる事を覚えましょう。
イエスは「全世界に出て行き、すべての造られた者に、福音を宣べ伝えなさい。」(マルコ16:15)と言われました。全世界とは、単に地勢学的な意味での全世界だけではなく、「あらゆる階層に」という意味があると言われています。あらゆる職業の人に、とも言えるでしょうし、あらゆる地位にある人、あらゆる状況にある人とも言い換えることが出来るでしょう。そのためには私たち一人一人がそのあらゆる人々に福音を伝えるためにたてられた存在なのです。主婦として、学生として、経営者として、会社員として、医者として、教師として、父として、母として、・・・。あらゆる階層の代表者があなたや私なのです。
   「収穫は多いが、働き人が少ない。 だから、収穫の主に願って、その収穫のために働き人を送り出すようにしてもらいなさい」。〔マタイ9:37-38〕とイエスは言われました。収穫のための働き手であるイエスの弟子が不足しているのです。神のシナリオの実現のためにあなたが招かれていることを覚えてください。

 

Ⅲ 神の招きに応答する
イエスの招きにペテロ達はすぐに応答しました。「すると、すぐに、彼らは網を捨て置いて従った。」と記されているとおりです。すぐに、即座に、時間をおかずにと言うことです。彼らの決断の早さが伺われます。イエスの招きに従う大きな喜びがあったのでしょう。人生の使命を見出したことへの確信があったに違いありません。荒削りの欠点だらけの弟子達でした。イエスの弟子になることの意味さえ未だ十分には理解していなかったでしょう。しかし、彼らには神の使命に生きる情熱がありました。嫌々ならとっくに止めていたでしょうが、彼らはイエスについて行ったのです。
「網を捨て置いて」とある網とは彼らの生きる糧の象徴でしたし、彼らの描いていた人生のシナリオと言うことも出来ます。自分たちの今までの生き方を転換して、イエスに従う道を選んだのです。私たちも自分の人生のシナリオを再考してみましょう。今の人生よりも遙かに勝った喜びと感動の人生が神のシナリオの中には隠されているのです。もちろんその歩みは平坦ではないでしょう。多くの苦労や忍耐が求められるかも知れません。しかし、聖霊なる神様の助けがあります。主イエスは私たちと共に働いてこの壮大な神の救いのご計画を実現すべく私たちを招いておられる事を覚える者となりましょう。

 

いつも兄弟姉妹のお祈りとご支援に心から感謝をいたします。私たちは新たに「愛を解き放つ教会」(Love Japan-Love Tokyo)をビジョンに掲げ歩み始めました。そのために「あなたの町の身近な教会」を目指して、
「3つの300ミッション」を掲げています。(その1:300名の信徒、弟子の育成 その2:300のファミリーチャーチ(ファミリーグループ) その3:300の愛の奉仕活動〔ミニストリー〕)です。
そのような中で、去る9月25日に長野県佐久市に「佐久ホープチャペル」が開設されました。更に日韓教会の佐藤牧師夫妻が茨城県の石岡市に「希望の教会」を設立され、10月から移転されて伝道をして行かれます。また、それぞれの教会の証しを掲載したいと願っておりますが、どうかこれらの新たな教会の働きを覚えてお祈りください。神様の御業がいよいよ前進していきますように。これから主にある教会が互いに助け合い、祈り合う関係を築いて共に福音の宣教にあずかっていきたいと願っています。

兄弟姉妹の上に大いなる恵みがございますようにお祈りしております。また、祈りのリクエストを送ってください。共に祈り神の勝利を頂きましょう。祈りに答えてくださる主に心より感謝しつつ。

キリストのしもべ       西田育生

 

  
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