「何をしてほしいのか」　　マルコの福音書１０章４６節－５２節　　　西田育生牧師

「さあ、行きなさい。あなたの信仰があなたを救いました。」（ﾏﾙｺ10：52）とバルティマイにイエスは言われました。バルティマイを救った信仰とはどのような信仰だったのでしょうか。
第一は、あきらめず求め続ける信仰です。「彼は、ナザレのイエスがおられると聞いて、『ダビデの子のイエス様、私をあわれんでください』と叫び始めた。」(ﾏﾙｺ10:47）バルティマイは決してあきらめずに求め続けていました。周りの人々は彼を黙らせようとしましたが、彼は臆することなく叫び続けました。このようなバルティマイの信仰、心の姿勢を神は喜ばれました。私たちは、このような求め続ける信仰を持っているでしょうか。神に祈り求めながらも自分を低く見てしまい、心の中で自分の祈りは聞かれないとあきらめていることはないでしょうか。「信仰がなければ、神に喜ばれることはできません。神に近づく者は、神がおられることと、神がご自分を求める者には報いてくださる方であることを、信じなければならないのです」（ﾍﾌﾞﾙ11：6）私たちを救いたいと願われている全知全能の神がおられること、神は求める者には必ず与えて下さる方であることを信じる信仰を持つことが大切です。神が喜ばれる信仰とはあきらめないで信じ続け、求める信仰です。けれども、渇いて求めている時と、そうでない時とでは求める熱意が違います。「ある町に、神を恐れず、人を人とも思わない裁判官がいた。・・・まして神は、昼も夜も神に叫び求めている、選ばれた者たちのためにさばきを行わないで、いつまでも放っておかれることがあるでしょうか。…神は彼らのため、速やかにさばきを行ってくださいます。」（ﾙｶ18:2-8）　この例話に出て来るやもめは不正な裁判官にうるさく訴え、願いが聞き届けられました。このように神は昼夜叫び続ける者の願いを聞き届けてくださいます。「鹿が谷川の流れを慕いあえぐように、神よ。私のたましいはあなたを慕いあえぎます」（詩42：1）と飢え渇きの強さを示し、祈り続けましょう。
第二は、神は私たちの祈りや願いを必ず聞いて下さるお方で、その憐れみや素晴らしさに生きる信仰です。「『あの人を呼んで来なさい』と言われた。…『心配しないでよい。さあ、立ちなさい。あなたを呼んでおられる』」　（ﾏﾙｺ10:49）と目の不自由な人を呼ばせ「その人は上着を脱ぎ捨て、躍り上がってイエスのところに来た。」（ﾏﾙｺ10:50）のように憐れみのあるお方です。また「主のすばらしさを味わい、これを見つめよ。幸いなことよ。彼に身を避ける者は」（詩34：8/第３版）とあるように私たちのためにいつも素晴らしいものを用意して下さるお方だと信じましょう。さらに「わたしは、あなたがたを捨てて孤児にはしません。わたしは、あなたがたのところに戻って来ます。」（ﾖﾊﾈ14:18）神は私たちを決して見捨てることのない信頼できるお方です。イエスは全ての人々にこのように語られ、イエスの愛を受け止める人に神の恵みが注がれるのです。聖書にはサマリアの女の人、ザアカイ、カナンの女の人、百人隊長等、神の素晴らしい憐みを受けた人々の記事が沢山記されています。
第三は自分の願いを明確にする信仰です。「イエスは彼に言われた。『わたしに何をしてほしいのですか。』すると、その目の見えない人は言った。『先生、目が見えるようにしてください』」（ﾏﾙｺ10:51）イエスは目の見えないバルティマイの願いを明確にするためにこう尋ねられました。バルティマイは日ごろから目が見えるようになりたいと本心から願っていたので、イエスに即答できたのでした。だからこそイエスは「あなたの信仰があなたを救いました」(ﾏﾙｺ10:52)と言ったのです。私たちは他人の目を気にしすぎて、周りに忖度してしまうために、自分の本当の願いがわからなくなってしまいます。信仰は神の心とあなたの心が一つになるところから始まります。神は決してあなたに無理強いするお方ではありません。イエスはあなたの本音を聞きたいと願っておられます。
バルティマイは自分が目が見えるようになった姿を信仰によってイメージしていました。旧約聖書の預言者達に神はビジョンを見せて下さいました。私たちも初めは願いが答えられた姿を思い描くことは難しいかもしれませんが、願いが聞き届けられた姿を描き続けていきましょう。神は私たちの本音を聞きたいのです。自分の願いを明確にして、神の恵み、祝福によってそれが実現したときのことを思い描きながら歩んでまいりましょう。

≪分かち合いのために≫

1. 求め続けることの難しさはどこから来ていますか。
2. 神様は良いお方であることを信じられますか。
3. 今あなたが一番思い描いていることはどのようなことでしょうか。

　今日の暗唱聖句

「イエスは彼に言われた。『わたしに何をしてほしいのですか。』すると、その目の見えない人は言 った。『先生、目が見えるようにしてください。』」　　　（マルコの福音書１０章５１節）