「関係作り」
「人がその友のためにいのちを捨てるという、これよりも大きな愛はだれも持っていません。わたしがあなたがたに命じることをあなたがたが行なうなら、あなたがたはわたしの友です。・・・わたしはあなたがたを友と呼びました。なぜなら父から聞いたことをみな、あなたがたに知らせたからです。」(ヨハネの福音書15:13-15)
最近のコンピュータや携帯電話の普及に伴い、人と人の接触が少なくなりつつあります。なんでもメールで済ませたり、仕事も出社しないで家でできるものも増えてきて、わずらわしい人間関係も避けることが出来るようになりました。家の中でも一人一人が個室を持ちテレビを持っているという状況が増えるにつれ,家族間のコミュニケーションも少なくなっているのが実情です。メールでは本音が言えるけれど,面と向かっては本音の話や腹を割った話ができないという若者が増えているそうです。「関係病」といわれる心身症やうつが多いのも現代の特徴だといえます。
人が成長していく過程には「関係」が深く関わっています。生まれたばかりの赤ちゃんは両親との親密な関係を通して、情緒が安定しバランスよく成長する事が出来ます。また兄弟や友達との関係を通して,社会性や協調性が養われます。仕事仲間の関係,結婚を通しての新しいパートナーとの関係。どれも私たちの生活には欠くことのできないものです。
このように「良い関係づくり」ができると私たちの生活は豊かなものとなります。しかし、どうも人との関わりが苦手だという人も多いでしょう。それを改善する為には、他人との関係を考える前に、先ず自分自身を見つめてみる事です。「自分が自分を大切に思っているか。愛すべき存在として自分を受けいれているか。」と問うてみましょう。自己を受容できるようになると人をも受けいれることができるようになります。自分が嫌いな人は、自分の足らない所ばかり数えるようになり、他人の目が気になります。絶えず自己防衛をするようになり,身構えて人と話をするようになりがちです。そしてどっと疲れてしまいます。
自分を愛し、受容できるようになる為の最良の方法。それは神様との関係づくりから始まります。神の無条件の愛が自分に注がれている事を信じれる人は恐れから解放されます。神との深い愛の交わりと関係が確立される事が信仰の土台です。あなたは神に愛されているのです。たといあなたの親子関係が上手くいかず、いろいろな傷を負っていたとしても,私たちの真の親なる神様は私たちをあるがままで愛し,いとおしく愛の御手の中でいだいてくださるのです。
イエス御自身、私たちを友と呼んでくださいました。そしてその友と呼ばれた私たちのために、命を捨ててくださったのです。ここに神の愛があるのです。あなたの友であるイエスとの関係を今日もしっかりと確認しましょう。神との関係がしっかりと確立されることにより、自分を大切にし、また人に対しても構えることなく接することができるようになるのです。何よりも神との密接な関係を築くことです。その為に先ず神を礼拝し,祈るものとなりましょう。
(プレイバック週報2004年2月22日「牧師館より」 西田育生師)
