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NO.726  2022.07.17

「コイノニア:初代教会の姿を通して」

 

ちょうど、からだが一つでも、多くの部分があり、からだの部分が多くても、一つのからだであるように、キリストもそれと同様です。・・・あなたがたはキリストのからだであって、一人ひとりはその部分です。  (Ⅰコリント12::27)

 

パウロは教会を人のからだに例えて「キリストのからだ」と表現し、その本質を見事に表現しています。「からだが一つでも、多くの部分があり、からだの部分が多くても、一つのからだであるように、キリストもそれと同様です。」とある通り、人の体の成り立ちを理解すれば、キリストの教会のあるべき姿が見えてきます。
体の特徴は一言でいうならば「多様性と一体性」ということです。第一に多様性です。体は各器官から成り立っています。それぞれの器官はみな同じではなく、それぞれの器官の特徴と役割があるのです。目は目の役割、口は口の役割、手は手の役割があるのです。ですから、体の中で不必要な器官は一つもなく、すべての器官が必要不可欠な存在です。
同様に、教会も人それぞれが必要不可欠で不必要な人は一人もいないのです。それぞれが神様から与えられた役割を担っているのです。特に日本人は同一民族なので、お互い皆同じという感覚があります。従って自分と違う人や自分の範疇に合わない人は排除したり批判したりする傾向があるのです。同じようなことが教会の中でも起こりがちです。
同じ神様を信じ、同じみことばを聞いて歩んでいても、受け取り方や成長の度合いはみな違います。また、それぞれの関心や性格、賜物も違うのです。ですから、自分と違うからと言って排除してはならないのです。互いの違いを受け入れ、それぞれの働きを尊重し、自分と違う働きをしてくださるので、教会が大きく成長する。そのような理解を持ちたいと思います。
第二に、統一性です。また多様性が特徴ですが、同時にそれぞれがバラバラではなく統一され、一体化しているのです。かしらであるキリストのみこころに従って、互いに協力し合って機能していくのが教会なのです。手が手で独立しているわけではありません。目が口ではないからといって体に属さなくなるわけではありません。互いが連動して見事に機能していく。それが教会の体なのです。
以前、交通事故で右足の膝から下を失った方が「時々ないはずの右の足の先がかゆくなったり、痛くなったりするんです。」と言われていたの思い出します。ないはずの足なのに、つながりを頭は記憶しているのです。頭は、なくなっていても足を忘れてはいないのです。
第三にはそれぞれが依存しサポートし合います。キリストの体である教会はそれぞれが互いにサポートし合い、依存しあっているのが特徴です。各器官が単独で独立して生きているのではなく、他者に依存しているのです。弱った器官があれば、周りの器官がサポートし助けます。いたわりがあり支えがあるのです。それが自然な体の機能なのです。
教会もキリストの体としての結びつきを深めてまいりましょう。コイノニアの交わりは、その絆を強め、家族であることを深く認識することにその本質があります。コイノニアのあるところに教会の体は生き生きと健全に機能することができるのです。キリストの体の一部としての自覚を深めてまいりましょう。

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