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NO.690  2021.11.07

「委託された使命」

 

実に、私たちは神の作品であって、良い行いをするためにキリスト・イエスにあって造られたのです。神は、私たちが良い行いに歩むように、その良い行いをあらかじめ備えてくださいました。(エペソ人への手紙2:10)

 

現在COP26がイギリスグラスゴーで開催されています。COPとは、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)を批准するすべての国(締約国)が参加する会議です。 今回は26回目の締約国会議なのでCOP26と呼びます。
締結国が温室効果ガスの新たな排出削減目標を掲げたり、地球温暖化解決のための気温上昇を抑えるために、石炭の段階的廃止、森林破壊の削減、電気自動車への切り替えの加速、再生可能エネルギーへの投資の奨励などが議論されているのです。
このまま地球温暖化が進めば、2℃暖かくなると世界では、1億8,900万人が飢餓状態に追い込まれ、もし気温が2倍になれば、さらに18億人が飢えに苦しむことになると言われています。遠いどこかの話ではなく、身近な私たちの命にかかわる大きな問題なのです。それぞれの国が自国の利益のためというエゴを捨て、共通の認識と使命を自覚し、問題解決にあたることが必要なのです。なぜなら、神様が創造されたかけがえのない美しい世界をこのように瀕死の状態に陥らせてしまったのは、私たち人間の罪と高ぶりが原因だからです。
 「実に、私たちは神の作品であって、良い行いをするためにキリスト・イエスにあって造られたのです。」とあります。神様は私たちを神様の似姿として創造されました。また私たちは神様の創造された作品なのです。一人一人はかけがえのない唯一の存在として創造されたのです。同じものがたくさんある製品ではありません。作品には作者の熱い思いが反映されています。同様に、あなたの内には神様の思いとご意思が込められているのです。
 「良い行いをするために」造られたのです。良い行いとはどのような行いを指すのでしょうか。それは善行をすればよいというのではありません。第一コリント人への手紙4:1~2には、「人は私たちをキリストのしもべ、神の奥義の管理者と考えるべきです。その場合、管理者に要求されることは、忠実だと認められることです。」とあります。私たちは神様から委ねられているものを管理する責任と使命があるのです。
管理者が持つ意識のことを「スチュワードシップ」と言います。この管理者意識は、ゆだねられているすべてのものに適用されるのです。私たちの命や人生も、神様から与えられ委ねられているのです。与えられた人生を通して、どのように生きていくか。その生き方が、「良い行いをすること」ということができるでしょう。また、管理者として、「忠実」であることが求められているのです。
仕事の仕方、時間の使い方、家族の中での役割など、置かれているところで、また委ねられている者に対して、誠実に、忠実に、精いっぱいかかわり、仕えていくものとなろうではありませんか。
わたくしも神様から生かされているものとして、家族や教会、置かれているコミュニティーに対して、スチワードシップをもって、忠実に生きるようにしたいと祈り願っています。「良い行いをあらかじめ備えてくださいました」とありますから、祈りの中で神の作品として、管理者として、備えておられる良い行いを示していただきながら共に歩んでいこうではありませんか。あなたには神様からゆだねられ、委託された使命があるのです。

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