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NO.657  2021.03.21

「恐れるな。語り続けよ。」

 

ある夜、主は幻によってパウロに言われた。「恐れないで、語り続けなさい。黙ってはいけない。 わたしがあなたとともにいるので、あなたを襲って危害を加える者はいない。この町には、わたしの民がたくさんいるのだから。」(使徒の働き18:9-10)

 

今日、再延長されていました緊急事態宣言が解除されます。一カ月半の長い自粛期間となりました。来週、28日より、教会も来会しての礼拝が再開されます。ちょうどイースター前でもあり、一つの区切りとして受け止め、希望をもって再スタートを切りたいと願っています。
この間、リモートで礼拝をしてきましたが、全員がリモート礼拝に参加できるわけではないので、どうしても交わりの希薄さを感じて今います。キリストのからだとしての教会は、できるならば顔と顔を見て互いの存在を肌や空気で感じる交わりを持ちたいと願うものです。
人生において様々な困難や試練はやってきます。ちょうどコロナ禍に国民全体が対応しようとしているように、私たちも思いがけない患難に対して、しっかりと対応しなければなりません。しかし、同時に、私たちの基本的な生き方はしっかりと確保して、周りの状況に振り回されないようにしなければなりません。
対応力と動かされない人生の中心軸、この二つをしっかりと見極めていくことが大切です。その土台となるのはキリストを中心とした信仰的生き方です。それを常日頃から培っておくと、様々な環境の変化にも慌てないで対応することができるようになるのです。
パウロも神様からの励ましによって、福音宣教の使命を遂行した人です。最初にヨーロッパに宣教の足掛かりを作ったのがパウロでした。しかし、その歩みは決して楽なものではありませんでした。
ピリピ、テサロニケ、アテネ、コリントと伝道をする中で、幾度も迫害や投獄されることにもなりました。人々の無関心や嘲笑とも戦わなければなりませんでした。肉体的、精神的疲れとストレスは想像を超えていたでしょう。「もうここでの宣教は難しい」「自分の力ではこれ以上無理だ」様々な思いの中で、パウロは祈りに導かれました。するとある夜、神様はパウロに幻の内で現れてくださり、励ましと約束を与えてくださったのです。「恐れないで、語り続けなさい。だまってはいけない」さらに、「私があなたとともにいる。」「あなたを襲って危害を鵜和得る者はいない」「この町には、私の民が沢山いる。」
これらの素晴らしい神様の約束と励ましは、パウロを勇気づけ、語る力を大いに得ることができたのです。自分は一人ではないんだ。イエスがいつも共におられる。神の守りがあるので、誰も危害を加える者はいない。また、救われる人や同労者がこの町には必ずいる。このような力を得て、パウロはこの時から一年半腰を据えてコリントの町で宣教を継続することができました。その結果誕生したのが、コリント教会だったのです。
神様はあなたにも同じように語りかけておられます。私たちも、神の約束と励ましを受け取り、置かれたところで働きを継続して参りましょう。「恐れるな。語り続けなさい。黙ってはいけない」と主は語られているのです。

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