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NO.641  2020.11.29

「苦難が生み出すもの」

 

それだけではなく、苦難さえも喜んでいます。それは、苦難が忍耐を生み出し、 忍耐が練られた品性を生み出し、練られた品性が希望を生み出すと、私たちは知っているからです。 この希望は失望に終わることがありません。なぜなら、私たちに与えられた聖霊によって、神の愛が私たちの心に注がれているからです。
(ローマ人への手紙5:3-5)

 

コロナの感染拡大が止まりません。大阪、札幌は、それぞれ自粛要請を出し、東京も時短営業の要請が出されました。なかなか、思い切った活動ができず、我慢の日々が続きます。重症患者も増え続け、医療現場がひっ迫した状況であることが伝えられています。医療崩壊にならないように私たちも医療従事者のために神様の助けと支えがありますよう心して祈ってまいりましょう。
さて、私たちが受ける様々な苦難をどのように受け止めていけばよいのでしょうか。簡単に今の直面する苦難の意味をこうだなどということはできません。
パウロという人は、コリント人への手紙の中で自分の直面した様々な苦難と迫害について「ユダヤ人から四十に一つ足りないむちを受けたことが五度、ローマ人にむちで打たれたことが三度、石で打たれたことが一度、難船したことが三度、一昼夜、海上を漂ったこともあります。何度も旅をし、川の難、盗賊の難、同胞から受ける難、異邦人から受ける難、町での難、荒野での難、海上の難、偽兄弟による難にあい、労し苦しみ、たびたび眠らずに過ごし、飢え渇き、しばしば食べ物もなく、寒さの中に裸でいたこともありました。」(Ⅱコリント11:24-27)と告白しています。 彼ほどの困難と迫害を受けた人はまれでしょう。
しかしその彼が、ローマ人への手紙の中で、自分は「苦難さえも喜んでいます。」と語っています。それはパウロが苦難の生み出す成長の恵みについてフォーカスしていたからです。苦難は何を生み出したのでしょう。パウロは続けます。苦難が忍耐を生み出し、忍耐が練られた品性を生み出し、練られた品性が希望を生み出すと、私たちは知っているからです。この希望は失望に終わることがありません。」と言っています。苦難➡忍耐➡練られた品性➡希望へとつながっているのです。
今回のコロナ禍の状況は予想困難な出来事でした。もしこの状況を避けることができないのであれば、私たちはこの状況から逃れることを考えるのではなく、この状況がもたらす成長へのプロセスに目を向け、いよいよ成長させていただきたいと心から願うのです。
私たちの体に筋肉がつくためには、適度な負荷や運動は欠かせません。私たちの心の筋肉も同様です。様々な試練を通して生き方を整えてまいりましょう。
苦難を通して、私たちは神に信頼することを学ぶのです。忍耐して神の時が来ることを待ち望み、寛容さや変わらないキリストの愛で周りの人々に接するのです。キリストの希望を伝える証し人となるのです。私たちは世の光、地の塩なのです。なくてはならない存在があなたやわたしなのです。今こそ輝く時です。神様を見上げて前進をしてまいりましょう。

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