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NO.635  2020.10.18

「工夫してみよう」

 

しかし、彼女は言った。「主よ、そのとおりです。ただ、小犬でも主人の食卓から落ちるパン屑はいただきます。」(マタイの福音書15:27)

 

新婚旅行中に新型コロナウィルスのパンデミックが起こり足止めされたご夫婦が、足止めされた国のオリンピックの親善大使になったことがネットニュースに掲載されていました。
このご夫婦は片岡さんと言われるご夫妻で、昨年12月からハネムーンで世界一周旅行を計画。今年の2月、ちょうど西アフリカのカーボベルデ共和国という人口54万人の小さな島国を訪れていました。二週間滞在し、それからスペインに向かおうとしていたのですが、ちょうどコロナ蔓延で、ヨーロッパの空港が閉鎖となり、島に足止めされることになりました。
しかし、入国時に取ったビザは短期滞在用で、カーボベルデには、1カ月しかいられない。 「どうやったらビジネスビザが取れるかなと思ったときに、まずはこの国に還元することが必要だなと思った。観光客に向けた動画など、この国の実利につながるような動画を作成するのが一番の近道だろうなと」。動画クリエーターの仕事をしていた片岡さんは、労働ビザ取得のため、色彩豊かな島の特徴をドローンなどで撮影し、観光PR動画を作成。それを現地メディアに送るとそれが取り上げられ話題となりました。
それを見たカーボベルデのオリンピック委員会から連絡が入り、是非東京オリンピックの親善大使になってほしいと依頼を受たのだそうです。首相からは感謝状まで届き、滞在費のホテルは無料となり、ホテルや企業のPR動画の撮影も次々と入ってきて忙しい毎日だそうです。
もちろん帰国できるようになったら帰国する予定だそうですが、このコロナの苦しい状況を工夫とアイデアで大きなチャンスを得たエピソードに感銘をいたしました。
私たちの人生も、順風満帆とばかりはいきません。様々な試練や困難に直面するかもしれませんが、そこで詰まってしまって、もう駄目だとあきらめることはないのです。またパニックにならないことです。
信仰はそのためにあるともいえるでしょう。ピンチだと思っているところで、神様はチャンスに変えてくださるお方なのです。
娘の病気の癒しを求めたツロフェニキアの女性は、一見イエスから見放され拒絶されたと思える状況でしたが、決してあきらめませんでした。犬呼ばわりされた時、彼女は「主よ、そのとおりです。ただ、小犬でも主人の食卓から落ちるパン屑はいただきます。」と機転を利かせてイエスに応えたのでした。その彼女の信仰をイエスは大変褒められ、娘は癒しを受け取ることができたのです。
自棄になったり、つぶやいたりしないで、置かれたところで何ができるか積極的に神様に問いながら、チャレンジしていこうではありませんか。新しい世界がそこから開かれてくるのです。

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