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NO.626  2020.08.16

「目線を変えてみよう」

 

私たちの大祭司は、私たちの弱さに同情できない方ではありません。罪は犯しませんでしたが、すべての点において、私たちと同じように試みにあわれたのです。(ヘブル人への手紙 4:15)

 

私の親戚の甥が、自動車メーカーの開発部で働いています。彼が、今研究しているのが、これから実用化されるであろう自動運転システムなのだそうです。昨今の高齢者の多発する事故などを考えると(わたしも高齢者に入っていますが)早く自動運転が実用化されることを願っています。そのためには膨大なデータの蓄積や、あらゆる環境への対応など、取り組むべき課題は山積しているようです。開発にあたっては、ドライバーの目線に立って、様々なドライビングテストも繰り返されているのです。 
しかし、いくら商品開発をしても、安全性と利便性、また経済性などが大衆に受け入れられないと、人の役に立つビジネスにはなりえません。それはすべての商品販売にも言えることです。製品が自慢のもので、これは消費者の役に立つという思い入れが強くあっても、買う側からするとそれがあまり役に立つように思えなかったり、必要を感じないと買わないことになります。常に消費者目線で、商品開発を考えることが求められるのです。
私たちがあずかっている神様の救い。それはどれほど素晴らしいか、クリスチャンはそれを体験して信仰の道に導かれたのです。このかけがえのないキリストの福音を自分だけのものとするだけでなく、多くの人たちに体験してもらいたいと願っているのは私だけではないでしょう。
ではどのようにして、この素晴らしい福音をお伝えすればよいでしょうか。信仰生活が長くなると、かつての神を信じていなかった時の生活から時間が立つので、クリスチャンでない方の考え方や状況がいつの間にかわからない状況に陥っているかもしれません。
もう一度、今の人たちはどのようなことに関心があり、どんなことで悩んでいるか、再考する必要があります。人によっても千差万別です。中には、家族の問題で悩んでいる人もいれば、夫婦関係、経済問題で苦しんでいる人もいます。この不確かな時代をこれからどう生きていけばよいか迷っている人も多くおられるのです。それら一人一人の悩みや葛藤の状況をまず知り、共感するところから関係を深めていくことが求められるのです。「関係は福音が伝わる橋」なのです。
どんなに素晴らしいイエスキリストの福音も、子供が食べやすいように工夫し料理をすると、どんどん食べてくれるように、相手が信じたいという願いと要求が出てくるようにもう一歩工夫してみることが必要です。
あなたの周りには隠れた求道者が沢山おられることを覚えてください。そのためには伝道のハードルを低く下げて、相手目線で神様の愛と恵みを分かち合っていくものとさせていただきましょう。
キリストも私たちと同じように試みに会われたので、私たちに同情してくださり、私たちが信じられるように救いの道を開いてくださったのです。あなたのへりくだった対応がその人を救いへと導く大きなきっかけとなることを覚えましょう。

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