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NO.604  2020.03.15

「ピンチはチャンス」

 

その日、エルサレムの教会に対する激しい迫害が起こり、使徒たち以外はみな、ユダヤとサマリアの諸地方に散らされた。…散らされた人たちは、みことばの福音を伝えながら巡り歩いた。ピリポはサマリヤの町に下って行き、人々にキリストを宣べ伝えた。 (使徒の働き8:1b~5)

 

世界保健機構(WHO)が新型コロナウィルスが世界的に拡大しているパンデミックであるとの声明を出しました。ヨーロッパ全体に拡散し、アメリカではトランプ大統領も国家非常事態宣言を出すに至りました。様々なスポーツイベントやエンターテイメントは軒並み中止となっています。経済も大きな影響を受け、株価はリーマンショックを越え、バブル崩壊時のブラックマンデーの時にまで及んでいるとのこと。
確かに事態の重大さを認識しなければなりません。しかし、いたずらに慌てふためき、恐れに囚われないようにしなければなりません。まずは落ち着くことです。特に日本は爆発的な感染には至っておらず、しっかりと対処すれば、必ず乗り越えることができます。
この困難な状況でも、苦境を様々な工夫や改革、斬新なアイデアなどで乗り切ろうとしている人たちもたくさんおられます。学校給食の業者は集団休校で大きな影響を受けましたが、余ったパンや食材をネットを使って呼びかけたところ、無駄にならず売ることができたとか。マスクを売るラインに切り替えた縫製工場だとか、対応している会社も出てきています。みんなで知恵を出し合い、協力し合えば、様々なことが可能となるのです。
さて、初代教会も迫害の嵐の中を通らされました。弟子たちが捕らえられ、ヤコブやステパノなどの殉教者が出ました。教会に対する激しい迫害が起こったことが記されています。多くのクリスチャンたちは、否応なくエルサレムから散らされて行きました。
聖書には散らされた人たちは、みことばの福音を伝えながら巡り歩いた。」とあります。またイエスの弟子のピリポにいたっては「サマリヤの町に下って行き、人々にキリストを宣べ伝えた。」とあり、続く聖書の記述にはピリポを通してサマリヤに素晴らしい神の御業が起こったことが記されています
もし迫害がなかったら、彼らはエルサレムにとどまっていたでしょう。エルサレムこそ主イエス様が再臨される場所として信じていたのですから。しかし、迫害は彼らをエルサレムから押し出していったのです。その結果、福音がサマリヤに、そしてアンテオケに、更に小アジアに、ギリシャに、そしてローマにと拡大していったのです。神様は迫害という外的要因を用いて、人々を世界へと送り出されて行かれたのです。また迫害の中で、彼らの信仰は研ぎ澄まされ、強められ、心ひとつにして福音宣教の使命に燃えていったのです。
私たちは、弱く鈍い存在です。安定した場所を好み、今まで生きてきた生き方を変えたいとは思わないのです。しかし、それでは福音は伝わってはいきません。 私たちも生き方を変える大きなチャンスとしてこの困難な時を捉えたいと思います。神様は私たちを目覚めさせ、祈らせ、使命に生きるように導いておられるのです。このピンチこそチャンスなのです。

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