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NO.603  2020.03.08

「私たちと共におられるお方」

 

すると彼は、「恐れるな。私たちとともにいる者は、彼らとともにいる者よりも多いのだから」と言った。
(Ⅱ列王記6:16)

 

新型コロナウィルス感染拡大がまだ続いています。中国では収束の気配が見えてきているという報告もありますが、世界全体では10万人の感染者が出ていると言われています。日本政府も中国韓国からの入国規制や感染検査の保険適用、外出自粛の更なる呼びかけをしています。
まだ日本での終息には時間がかかるようです。そのような中で私たちは見えない感染不安や生活必需品の不足、様々な生活の心配などと戦っています。楽観的になりすぎてはいけませんし、様々な自衛の対策は講じることが必要ではあります。しかし、気を付けなければならないことは、必要以上にパニックに陥ったり、恐れに囚われて、現実のことしか見えなくなってしまうことです。
私たちはもう一度しっかりとイエスに目を向け、聖書にしるされている信仰者たちが危機にどのように対応していったかをしっかりと読み取り、現実の生活に適用していくようにしようではありませんか。
聖書に、エリシャという預言者が出てきます。彼はイスラエルが敵国アラムの脅威にさらされている時に活動した予言者でした。当時、アラムはイスラエルを攻略しようとしていたのですが、なぜか情報がイスラエル側に知られ、その行動が見空かれてしまうので苛立っていました。
あるとき、アラム王に、イスラエルにはエリシャという預言者がいて、王にアラムの動向を知らせているのだという情報がもたらされました。アラムの王は、エリシャの居場所を突き止め、捕らえるようにと戦車や大軍を送ってエリシャの家を包囲するのでした。
それを見たエリシャに仕える若者は慌てふためいて、「どうしたらよいでしょうか」とエリシャにすがるのでした。その時、エリシャは「恐れるな。私たちとともにいる者は、彼らとともにいる者よりも多いのだから」と青年に言い、さらに祈ったのです。『「どうか、彼の目を開いて、見えるようにしてください。」主がその若者の目を開かれたので、彼が見ると、なんと、火の馬と戦車がエリシャを取り巻いて山に満ちていた。』(Ⅱ列王6:17) 
私たちもこの若者のように、目に見える現実に振り回されてはいないでしょうか。エリシャは、万軍の主と天の軍勢が自分たちを取り巻いていることに目を向けていました。ですから、慌てることもなく、恐れることもなかったのです。
私たちは今様々な脅威に取り囲まれているかもしれません。取り巻く状況は、牙をむいてはいないのに、勝手に牙をむいていると思い込み、どうなるだろうかと慌てふためいて右往左往していることはないでしょうか。私たちは信仰の目をもって私たちと共におられるお方、イエスキリストにフォーカスしようではありませんか。
イエスキリストは「見よ。私は、世の終わりまで、いつも、あなたがたとともにいます。」(マタイ28:20)と言われた、イエスの約束の言葉をしっかり信じ、イエスの存在をいつも身近に覚えながら生活をしてまいりましょう。
むしろこのような時にこそ、聖書の素晴らしい約束を周りの方々に分かち合い、恐れや不安に陥っている方たちの気持ちを受け止め、共感し、同時に神様が共にいてくださることを分ち合おうではありませんか。不安な方のために祈り、恐れを持っている方のためにとりなしをし、今こそ、世の光、地の塩としてその役割を担っていく者となりましょう。

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