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NO.127  2011.01.23

「人の知らない食物」

 

しかし、イエスは彼らに言われた。「わたしには、あなたがたの知らない食物があります。」
そこで、弟子たちは互いに言った。「だれか食べる物を持って来たのだろうか。」
イエスは彼らに言われた。「わたしを遣わした方のみこころを行ない、そのみわざを成し遂げることが、
わたしの食物です。」(ヨハネの福音書4:32-34)

 

今、タイガーマスク現象が話題となっています。 かつてプロレスブームを巻き起こした漫画タイガーマスク演じる「伊達直人」の名前で全国各地の児童養護施設や福祉施設などに、「子どもたちに渡して下さい」とランドセルや筆記用具が送られて来たのです。
このことがマスコミで話題になると、次々とそれに習う人たちが出現するようになりました。劇中の孤児出身のタイガーマスクがファイトマネーを孤児に寄付をしていたことに習ってのことでしょうが、今や全国規模のひろがりを見せています。中には現金100万円とか米百俵が届けられたりと善意の輪が広がっているのです。
テキスト ボックス:  このことは今の私たちに忘れていたことを思い起こさせてくれた感があります。不況の厳しさの中にあって、どうしても内向きになり、自分の事ばかりに囚われがちになっている時代に、他の人のためにできることがあることを改めて気づかせてくれたのではないでしょうか。
このことは私たちキリスト者も神様から託された使命があることを改めて思い起こさせてくれます。いつしか祈りや信仰の姿勢が、自分の身の回りのことばかりにむけられ、自分中心の生き方に陥っていないでしょうか。
サマリヤを訪れたイエスと弟子たちの出来事が聖書に出てきます。空腹を覚えた弟子たちはイエスをスカルの井戸に一人残して全員パンを買いに出かけたのです。いやしい私はすぐに、ひょっとしたら弟子たちは買って帰るまで我慢ができず途中で皆で食べていたのではないか想像してしまいます。そうでなければ12人全員で買いに行くこともなかったはずです。
一人残されたイエスは水をくみに来た一人のサマリヤの女性に出会います。渇いたのどを潤すために水を飲ませてほしいと頼むことをきっかけに、イエスは人生に渇ききったこの女性を救いに導かれたのでした。イエスの話を聞きながら、彼女は心動かされ、イエスを救い主と信じるのでした。彼女は桶をそこに置いて走って町に帰り、町中の人たちに声高らかにイエスのことを伝えたのでした。自身の生活の混乱から人目を忍んで生きていた彼女の変わりようの大きさを見てとることができます。
パンを買って帰ってきた弟子たちはイエスにパンを召し上がるように勧めるのですが、イエスは「わたしには、あなたがたの知らない食物があります。」と言われ、「わたしを遣わした方のみこころを行ない、そのみわざを成し遂げることが、わたしの食物です。」と諭されたのです。
  もちろん、肉体との食物も大切です。しかし、それだけなら何と無味乾燥な人生でしょうか。神は私たちに大いなる祝福を用意しておられるのです。その祝福は時に肉体の糧を忘れさせるほどに私たちを感動に溢れさせてくれるのです。人が救われ、癒され、慰められ、励まされる。その一端を私たちも担いたいと願わされます。私達が持っている者は意外と多いことを覚えましょう。あなたの時間、能力、財、人的ネットワーク、それらを他の人を活かすために用いようではありませんか。あなたの祈りと信仰の行動は大きな力となるのです。それこそ人の知らない食物をえることになるのです。

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