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NO.113  2010.10.17

「70日目の生還」

 

キリストは、神の御姿であられる方なのに、神のあり方を捨てることができないとは考えないで、
ご自分を無にして、仕える者の姿をとり、人間と同じようになられたのです。〔ピリピ2:6~7〕

 

チリの鉱山落盤事故で閉じ込められていた33人が70日ぶりに救出されました。その救出の模様はリアルタイムで配信され、世界中が固唾をのんでその救出劇を見守りました。地下600メートルからカプセルに乗って次々と救出されてくる人たちを目の当たりにし、愛する家族と再会し抱擁している姿は本当に感動でした。閉じ込められていた作業員の人たちも、また再会を心待ちにしている家族、近親者の人たちもどれほどこの瞬間を待ち望んでいたことでしょう。言葉では言い表せないうれしさと喜びが溢れていました。
 今回の救出が可能になった要因がいくつか挙げられています。第1に信頼の厚いリーダーの元で、みんなが一つになり励まし合い、祈りつづけ、希望を持ち続けたこと。第2に33人が3つのグループに分かれて仕事を分担し、規則正しい生活を送っていたこと。第3にユーモアを忘れず、深刻になりすぎなかったこと。第4に地上では掘削の専門家が世界中から集まり、早期の掘削が可能であったこと。第5に地上と地下との閉じ込められた人達が絶えず通信が出来、救出の進捗状況が把握できたこと、等々です。
 今回の救出劇を見ながら、キリストが私たちを救ってくださった救いの業を連想させられました。まさに地下の暗闇に閉じ込められていたのが私たちです。どんなに地下で頑張ってみても、地下から地上に掘削して出て行くことは不可能でした。しかし、地上すなわち、天において神様は着々と救出のプランを立てられ、私たちの所に救いのパイプを通してくださったのです。そのパイプを通して下りて来てくださったのがイエスキリストでした。最後の一人が救出されるまで、一番最後まで地下に残って救いを完成してくださったのです。そうして、私たちは神様と共に、また先に救われた人達と一緒に救いの喜びにあずかったのです。
 今日は洗礼式です。3名の兄弟姉妹達が洗礼を受けられます。いわば神によって救出された方々です。この素晴らしい信仰の告白式をご一緒に喜び祝いたいと思います。単に良かったね、くらいな喜びではなく、チリの人達のように、喜びを爆発させましょう!歓喜に酔いしれるほどに、この救いの恵みに感謝したいと思います。私たちは喜んでいないわけではありませんが、喜び方が余り上手ではありません。チリの人達は喜び踊っていました。今日は本当に喜びの日です。
聖書には「あなたがたに言いますが、それと同じように、ひとりの罪人が悔い改めるなら、神の御使いたちに喜びがわき起こるのです。」〔ルカ15:10〕とあります。天上では今日、喜びが爆発しているはずです。
3名の兄弟姉妹が、古い生活から解放され、生還してこられたのですから。共にこの日を喜び祝うものとなりましょう。

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