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NO.101  2010.07.25

「現状認識」

 

「あなたがたの現状をよく考えよ。あなたがたは、多くの種を蒔いたが少ししか取り入れず、
食べたが飽き足らず、飲んだが酔えず、着物を着たが暖まらない。
かせぐ者がかせいでも、穴のあいた袋に入れるだけだ。」(ハガイ1:4-6)

 

昨日の新聞の第一面で、家や自室に閉じこもって外に出ない若者の「ひきこもり」が全国で70万人に上ると内閣府が全国の実態調査を元に発表をいたしました。将来ひきこもりになる可能性のある「ひきこもり親和群(予備群)」も155万人と推計しており、今後さらに増える可能性があると警鐘しています。
調査は今年の2月18~28日、全国の15~39歳の男女5000人を対象に行われ、3287人(65・7%)が回答。「普段は家にいるが、自分の趣味に関する用事の時だけ外出する」「普段は家にいるが、近所のコンビニなどには出かける」「自室からは出るが、家からは出ない」「自室からほとんど出ない」状態が6か月以上続いている人をひきこもり群と定義。「家や自室に閉じこもっていて外に出ない人たちの気持ちが分かる」「自分も家や自室に閉じこもりたいと思うことがある」「嫌な出来事があると、外に出たくなくなる」「理由があるなら家や自室に閉じこもるのも仕方がないと思う」の4項目すべてを「はい」と答えたか、3項目を「はい」、1項目を「どちらかといえばはい」と回答した人を、ひきこもり親和群と分類しています。(読売新聞7月24日朝刊参照)
ひきこもりの若者の具体的な数字が示されましたが、これほど多いとは思いませんでした。しかし、これが今の日本の若者達の現状です。将来を担い、未来を切り開いていく1番手の若者達の多くが悩んでいるのです。経済不況も追い打ちをかけ、就活もなかなかうまくいかないことも、一因にあるようです。このままでは本当に日本の国の先行きが心配されます。今私たちはこの問題にどう対処すればよいのでしょうか。
旧約の時代、預言者ハガイは捕囚から帰還した人達が国作りに取りかからないで、自分たちの生活に汲々としている姿を見て、「現状をよく考えよ」と語りました。国作りの第1は神殿の再建でしたが、人々は敵の妨害を恐れて、自分たちの生活を守ることに向いていました。しかしだからといって、彼らの生活は豊にはならず、「多くの種を蒔いたが少ししか取り入れず、食べたが飽き足らず、飲んだが酔えず、着物を着たが暖まらない。かせぐ者がかせいでも、穴のあいた袋に入れるだけ」の状況でした。この現状の打開は神殿の再建という彼らが帰還した第1の目的をもう一度思い起こし、そのことに取りかかることでした。このハガイの言葉を聞いて、皆が立ち上がり始めます。困難に逃げないで立ち向かうようになりました。そうする内に、次第に皆にやる気が生まれ、神殿再建が進むようになり、ついに神殿が完成するに至ったのです。
私たちもハガイの声を聞き、自分たちの置かれている『現状をよく考えて』みなければなりません。自分たちだけが恵まれればよいのではありません。私たちと同じ国民、同胞の声なき声を聞くものとなりましょう。先ずこの現状を主に祈り始めましょう。祈りの中で私たちが出来る事を教えていただきましょう。私たちの周りにも「ひきこもり」の人や、「ひきこもり予備群」の方々がおられるはずです。祈りのアンテナを伸ばし、聖霊の助けを求め、私たちの問題認識を高めていきましょう。彼らにも福音が届けなければならないのです。

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