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NO.091  2010.05.16

「変化に対応できていますか」

 

私は、貧しさの中にいる道も知っており、豊かさの中にいる道も知っています。
また、飽くことにも飢えることにも、富むことにも乏しいことにも、あらゆる境遇に対処する秘訣を心得ています。
(ピリピ人への手紙4:12)

 

世界の経済がなかなか良くならないようです。一頃株価が上がり始め、リーマンショック以来の不況も脱したかと思いきや、ギリシャの経済破綻の危機が取り沙汰され、EU全体に影響を及ぼし始めています。公的援助の対策が打ち出されましたが、まだ安心はできない状態です。当然日本も含めた世界経済への悪影響が懸念されています。
 そればかりではありません。私たちの身近な所でも様々な変化が起こっています。就職先が決まらず、苦闘している人や、会社の倒産やリストラで失業している人もいます。何とかその中でもたくましく生きていければよいのですが、環境の影響をもろに受けて、落ち込んだり、先の見えない状況に不安を覚えている人達も多いのです。
ではそのような状況にどのように対応すればよいでしょうか。パウロという人は「あらゆる境遇に対処する秘訣を心得ています。」といいましたが、どのような秘訣を手にしていたのでしょうか。
パウロは第1に全てを支配し導いておられる絶対者である神にゆだねることが出来たのです。神は変らないお方です。変化するこの世の中で、変らないお方を信じて生きると言うことほど力強いことはありません。
変化が激しければ激しいほど、変らない神様との結びつきを堅固にすることが大切です。この変ることのないお方の発せられる言葉を頼りに生きるのです。
 聖書の言葉は私たちをつなぎ止め、動かされないように杭となって私たちを立たせてくれるのです。「私は私を強くしてくださるお方によって何でも出来ます。」とパウロは続けています。「神は全てのことを働かせて、万事を益に変えてくださる。」(ローマ8:23)とも固く信じていました。聖霊は私たちを助けてくださいます。
ですから、この変らないお方に対して全幅の信頼を寄せる者となりましょう。
 また、パウロは同時に非常に柔軟な心を持った人でした。私たちが変化について行けないのは自分の考えに固執してしまうからです。過去の成功体験が忘れられずにその記憶にしがみついている人は、新しい変化に耐えられません。プライドが高いと変化の中で変っていく人の自分に対する評価が受け入れられません。こんなはずではなかった。という愚痴がつい出てしまうのです。パウロは変化の中でも自分を謙虚に見つめることが出来、置かれた状況で絶えず感謝をして歩む事が出来たのです。感謝できないときに感謝し、喜べないときに喜べる。それは神への柔順な心がもたらした柔らかい心の態度でした。
 私たちはこうでなければならないと決めつけてそれから離れられないものはないでしょうか。神以外固執するものを持つ必要はないのです。この世のものは変化します。積み上げた富も名誉も死後の世界まで持って行くことは出来ません。なくてならないものはそれほど多くないのです。
 神門導きを信じ、神の最善がなされることをしっかりと信じて歩む者となりましょう。変化の中でもあなたは生き生きと輝き、感謝をして歩む事が出来るのです。なぜならあなたには全能の神がおられるからです。

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