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NO.083  2010.03.21

「幸せの1ページ」

 

イエスは「来なさい。」と言われた。そこで、ペテロは舟から出て、水の上を歩いてイエスのほうに行った。
(マタイの福音書14:29)

 

何にでも最初の一歩があります。そしてその最初の一歩を踏み出すのには少々の勇気がいります。もうすぐ入学式や入社式がありますが、新しい環境に踏み出すときのことを思い出されたらわかるでしょう。期待もありますが、同時に不安を覚えるものです。私たちは今までの経験値からこれから起こることを予想し想像しますから、人によっては不安のほうを感じてしまうものなのです。 
 以前、「幸せの1ページ」という映画がありました。世界的な冒険小説を書く女流作家がいました。小説に登場するヒーローは様々な困難に直面しても、果敢に挑戦し、どんなことも乗り越えていくのです。みんなその小説にわくわくどきどきするのでした。しかし、当の著者本人はと言えば外出恐怖症で潔癖症。もう何年も外に全く出ることが出来ず、郵便ポストの郵便もたまる一方でした。
 そんな彼女に転機が訪れます。小説のリサーチがきっかけで地図には載っていない南太平洋の小島で海洋学者の父と暮らす少女と知り合い、メールのやりとりを始めます。メールをするときは何でも出来るあのスーパーヒーローです。小説の大ファンの少女はすっかり外出恐怖症の彼女をヒーローと思い込んでしまいます。ところがある日、調査に出かけた父親が嵐に出くわし、行方不明となり何日も帰ってこないのです。おまけに、帰りを待つ少女はけがをしてしまいます。「助けに来て!」とスーパーヒーローに叫ぶ少女のメールに、小説よろしく救助に出かける一大決心を彼女はするのでした。
しかし、現実は小説通りにはうまくいきません。先ず家から出るのが一苦労です。「小説だから書けるのよ。そんなの無理!」そんなすったもんだの末、やっとの思いで家を出ていくという話です。もちろん、結果は想像の通り、少女の元にたどり着くことになるのですが、そのどたばたの格闘が共感を覚えさせてくれます。たしかに「幸せの一ページ」は最初の一歩から始まるのです。
私たちの人生も同様に、最初の一歩から新しい道が開けてきます。一歩目がなければ二歩目はないのです。ですから、その一歩を踏み出す力を神様から与えられて踏み出す者になりたいと思います。私たちは色々と踏み出せない理由や言い訳を考えます。今までもうまくいかなかったのだから、今度もうまくいかないだろう。もっと環境が整えば出来るのに。お金が足りない。経験不足。色々な考えが去来して私たちの思いや行動を縛ってしまうのです。
そんな縛りから私たちを解放し、決断を促し、その決断をサポートしてくださるお方がイエスキリストです。このお方の声を聞くことが必要です。ペテロはイエスの「来なさい」という声を聞いて、その声に従い一歩踏み出しました。そうしたら湖の上を歩けたというのです。常識から考えたら、不可能でしょう。無理です。しかし、イエスの声は私たちを新たなチャレンジへと向かわせ、不可能を可能にさせて下さるのです。
あなたの人生の幸せの一ページを開いてみませんか。そのスタートはイエスに聞くところから始まります。イエスの声に従って、一歩踏み出してみましょう。新しく注いで下さる導きの光に従って歩み出す者となりましょう。

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