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NO.078  2010.02.14

「関係こそいのち」

 

だれかが弱くて、私が弱くない、ということがあるでしょうか。
だれかがつまずいていて、私の心が激しく痛まないでおられましょうか。(Ⅱコリント11:29)

 

先週、私は10日から12日まで第3回日本セル宣教ネットワーク(JCMN)のサミットに参加いたしました。全国から230名を超える参加者があり、互いの関係を深める時を持ちました。
今回は大阪ホープチャペルの兄弟姉妹3名も参加して下さり、セル(細胞)グループ(教会ではファミリーグループと呼んでいる)の本質を学び体験することができました。
ご存じのように私たちの教会もファミリーグループが生み出され、交わりが与えられていますが、そのファミリーグループの本質の一つは「関係」の大切さにあります。今回関係を持つことがどれほど大切なことであるかということを改めて実感させていただきました。
 「ハーベストチャペル」という茨城にある教会の牧師渡辺亨先生の証しは、関係がどれほど人を変え、福音を前進させることになるかを如実に示す象徴的なものでした。彼の教会の教会員に医者の方がおられるのですが、彼の元に一人のスリランカ人が糖尿の治療に診察に来ました。しかし、彼の糖尿病は片足を切断しなければならないほど進行していたのだそうです。でも、治療を続ける医療費が彼にはありません。そこで、そのクリスチャン医師は、無料で彼の治療を続けたそうです。やがて、彼はそれに感謝して教会に来るようになりました。教会の兄弟姉妹が、交わり祈るようになりました。彼は英語しかできず、日本語の説教はほとんど理解できなかったようですが毎日祈りには来ていたそうです。その祈りにより、彼は奇跡的に足を切断せず、小指だけの切断だけで済み、次第に糖尿は回復していったそうです。
ところが相前後して彼が本国に帰らなければならない事態になりました。というのも本国で彼の奥さんと子供さん達が住んでいる家の家賃が払えずに出ていかなければならなくなったという連絡が入ったからです。
 教会員は祈り、話し合い、「この時こそ愛の実践をしなければ、私たちは本当のクリスチャンではない!」と言うことになり、皆が献金しましたら、不足分の家賃と彼の飛行機代がまかなわれるだけの献金が集まったのです。彼は大変感謝してスリランカに帰っていきました。
 しばらくして渡辺牧師の所に彼から手紙が来ました。「今まで本当に有り難うございました。皆さんは私が今まで出会ったクリスチャンのイメージとは全く違いました。こんな人達がクリスチャンなら私もクリスチャンになりたいと思いました。それで教会を始めたいので、どうすればよいか教えてくれませんか。」という手紙だったそうです。渡辺牧師はびっくりしました。彼はまだ、信仰告白もしていないし、洗礼も受けていない。教会をするといってもまだ聖書を何にも知らないのです。渡辺牧師は急遽スリランカに行きました。するとすでに彼の家の一部屋が小さなチャペルに改装されているではありませんか。
渡辺牧師は、早速、彼を信仰告白に導き、洗礼を授けました。更には献堂式まで行なったのです。その献堂式には近所のスリランカ人が30人以上来てくれたそうです。今彼は聖書でのデボーションをしながら、自分が体験したことを証しして伝道しているそうです。
神様のされることは本当にすごいと思います。苦しんでいる人と関わり、助け、愛の実践をし、関係を深めていくとき、人は変り、救われ、更には宣教の業が前進していくのです。私たちも関係こそが命であることを覚えたいと思います。愛の労苦がどれほどの御業を呼び起こすか、互いに体験する者とさせていただきましょう。

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