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NO.074  2010.01.17

「わが人生に悔いなし」

 

私が自分の走るべき行程を走り尽くし、主イエスから受けた、
神の恵みの福音をあかしする任務を果たし終えることができるなら、
私のいのちは少しも惜しいとは思いません。(使徒の働き20:24)

 

先週、1月12日(火)に私たちの教会員で金沢に在住しておられる片山芳英兄の奥様、片山和子姉が62歳の生涯を終えて天に召されて行かれました。本当にあまりに早く突然のことでした。
昨年暮れから咳と微熱が続き体調を崩され入院しておられ、祈りの要請を受けていました。しかし、なかなか回復しないため、県立中央病院に転院されて検査された結果、間質性肺炎という特定疾患に指定されている難病であることが判明いたしました。これは肺が石灰化していく病で、肺活量が低下し呼吸が困難になっていくのです。ステロイド治療や投薬により病状を安定させることが精一杯で、医学的にはまだ有効な治療方法が確立されていないのです。
 今年に入り、私も5日と11日にお見舞いに伺い癒しの祈りをし、兄弟姉妹にもお祈りをお願いしたところでした。ご主人の芳英兄をはじめ二人のお子さん達も泊まり込みで看病をされていたのですが、和子さんは私たちの前を走り抜けて神様の御手の中に引き上げられて行かれました。
 14,15日と行なわれた前夜式、葬儀には、何年ぶりかの大雪にもかかわらず、合わせて350人を越える方々が和子姉妹の死を悼み出席してくださいました。姉妹の交友関係の広さとその関係の大きさを思わされ、同時に本当に主の証人として歩まれた人生だったと感じさせられました。
 「私はもう人生、本当に悔いはないのよ」。お医者さんから病名の説明を受けた後に、和子姉が私に語ってくれた言葉です。小学校5年生の時に、キリスト教ラジオ放送「世の光」を聞いたことがきっかけで教会に導かれ救いにあずかったのです。以来、天に召されるまでの51年間、ずっと忠実に信仰生活を続けられ、キリストを証ししてこられました。
姉妹の証しと伝道で、ご主人の芳英さんも救われ、献身にまで導かれました。子供さん達やお母さんにも福音を語ってこられました。最後の時でさえ酸素マスクで苦しい中でも、家族の救いのこと、友の救いのことを思い、福音をこのベットからでも伝えたいと言っておられたことが心に残ります。まさに信仰者のモデルがここにいる思いがいたしました。決して無理をしているのではないし、特別何かを企画して、大げさに証しされていたのではありません。生活そのものが証しの生活でした。教えておられる公文教室の生徒さん達を愛し、教会では大好きな賛美をささげ、1日1日を精一杯生きておられたことを思います。
私たちも神様から与えられている命を精一杯行きたいと思います。悔いがないようにといってもなかなかそのように生きれるものではありません。でも少しでもそれに近づくためには、私たちの人生は確実に終わりがあるという現実を知って、今という確実なこの時を生きる者になりたいと思います。
和解すべき人とは和解し、悔い改めることを導かれている人は悔い改め、今日やるべき事は今日やることを努める。「わが人生に悔いなし」そのように言える人は幸いです。お祈り本当に有り難うございました。残された芳英兄やご家族の上に慰めと大いなる主の御業が現わされますように続けてお祈りください。

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