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NO.069  2009.12.13

「新しい時代の始まり」

 

私たちはみな、この方の満ち満ちた豊かさの中から、恵みの上にさらに恵みを受けたのである。
というのは、律法はモーセによって与えられ、恵みとまことはイエス・キリストによって実現したからである。
(ヨハネの福音書1:16-17)

 

2009年の世相を表す「今年の言葉」に「新」という言葉が選ばれました。民主党の新政権が誕生し、新型インフルエンザ、イチロー選手の新記録などが選ばれた理由だそうです。
その中でも民主党の新政権誕生は一番記憶に残るところでしょう。長引く不景気の中で、国民の大きな期待を受けての新政権誕生でした。しかし、税収の落ち込みによって思い描いたような政策が打てずに迷走をしている感は否めません。また、沖縄の基地問題も日米関係や沖縄の人たちの不信感など関係がぎくしゃくしています。連立政権の脆弱さも垣間見られ、どうまとめられ方向ずけられていくのか、国民もやきもきしつつ見守っているという所でしょう。このようなときにこそ鳩山首相のリーダーシップが求められるところです。人が求める新しさにはどうしても限界があることを覚えなければなりません。
一方、イエスキリストの誕生を祝うクリスマスも新しい時代の到来となりました。しかし、当時の人たちでそのことを認識していた人たちはほとんどいませんでした。貧しい若夫婦から飼い葉桶に生まれたみどり子イエス。その最初の目撃者は名も知れぬ羊飼い達でした。誰がこのみどり子こそが神がこの世に遣わされた救い主だと理解し得たことでしょうか。誰も期待さえしていませんでした。しかし、神の計画は私たちの思いを超えて現実のこととなったのです。
ヨハネはイエスキリストを通して「恵みとまこと」が実現したと証言しています。それまではモーセによってもたらされた律法の時代でした。しかし、律法は罪の自覚を人に与えても、罪からの救いをもたらすことはありませんでした。人はその罪の性質の故に、律法の正しさを理解してもそれを実行することが出来なかったからです。
しかし、イエスの誕生は律法ではなく神の恵みによる救いの道の始まりとなられたのです。自分の力で救いを得ることが出来なかった人を、信仰を通して救われる道を備えて下さったのです。神の救いの完成がイエスを通してなされたのです。恵みの時代の到来です。そこでは誰も誇ることがありません。上下の関係もありません。神の豊かさが満ちあふれ、その中に神の恵みが満ちあふれている。その神の溢れる豊かさと恵みがキリストのうちにあるのです。私たちはイエスを信じる信仰によってその恵みにあずかることが出来るのです。
このクリスマスの時、私たちはもう一度神が備えられた豊かな恵みを心の内に溢れさせていただきましょう。キリストにある新しい時代の到来の実体を日々の生活の中で体験させていただく者となりましょう。

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