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NO.053  2009.08.23

「コーチの声を聞いていますか?」

 

あなたが右に行くにも左に行くにも、あなたの耳はうしろから「これが道だ。これに歩め。」と言うことばを聞く。
(イザヤ30: 21)

 

 

ドイツのベルリンで世界陸上が開催されています。もっとも注目されていたのは男子
100mと200mに出走したジャマイカのウサイン・ボルト選手です。人々の予想をはるかに超えた驚異的な走りで世界新記録を二つとも出し金メダルを獲得いたしました。異次元の走りと表されるほどの走りで他を圧倒し、人々の度肝を抜きました。
しかし彼がこのような記録を出すことができたのは、彼だけの力ではありません。彼のそばにはコーチがおり、充実したサポート体制があってのことです。実際ボルト選手もけがや事故などで結果が出ない時がありました。しかし、それらを乗り越え、また自分の弱点を改善して目標に達したのです。それを支えたのがコーチ陣です。おしなべて全てのアスリートには必ずコーチが存在しています。
コーチは目指すべき目標を確認し、そこに選手を励まし連れて行く役割を担っています。記録を達成した選手に注目が集まりますが、その背後でコーチの存在があることを忘れてはならないのです。
私たちにも成長を目指し、充実した人生を歩む為にはコーチが必要です。身近に声をかけてくれたり、アドバイスしてくれたりする友や信仰の仲間がいることはありがたいことなのです。時にはその声は自分にとって痛く感じることや、何故そのようなことを言うのか理解出来ないときもあるかもしれません。しかし、聞く耳を持って聞く事を心がけたいものです。渦中にあると全体が見えなくなり、正しい判断が出来なくなる傾向があるからです。自分では正しくやっていると思っていても他の人から見ればずれているのではないかと思えることも多々あるのです。
 旧約聖書にアラムの将軍ナアマンがライ病にかかり、預言者エリシャの所に祈りを求めてきた場面がでてきます。ところがエリシャは出てこずただヨルダン川に体を7度浸すようにことづけます。このエリシャの無礼な態度に、彼は怒ります。自分が一生懸命、礼を尽くしてはるばるやって来たのに出ても来ないとは。川なら故郷にもっときれいな川がある。と怒って帰ろうとします。その時です。彼の部下が声をかけます。「わが父よ。あの預言者が、もしも、むずかしいことをあなたに命じたとしたら、あなたはきっとそれをなさったのではありませんか。ただ、彼はあなたに『身を洗って、きよくなりなさい。』と言っただけではありませんか。」(第Ⅱ列王記5:13)
 この部下の声でナアマンは目覚めます。何のためにエリシャの所にやってきたのかその目的を再確認いたしました。目的はライ病が癒されることです。自分のプライドや無礼なエリシャの態度に怒って自分を見失っていたナアマンは部下の言葉で我に返り、言われたとおりヨルダン川で身を浸すのでした。そしてその時癒されたのでした。
ひょっとすると私たちも自分の立ち位置を見失っているかもしれません。一番の名コーチであるイエス様に聞きましょう。聖霊なるかみ様の語りかけに素直に聞きましょう。静まって上を見上げるとき私たちの後ろで神の語られるささやきのみ声を聞くことが出来るのです。

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