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NO.044  2009.06.21

 「主に用いられる人になろう」

 

今、プロ野球はセリーグとパリーグの交流戦もほぼ終了しペナントレースも折り返し点に近づいています。鳴り物入りで入団したにもかかわらず、なかなかその才能を開花できない選手もいれば、テスト生で入団したような選手が思わぬ活躍をしていたりすることがよくあります。
同郷なのでよく覚えていますが、愛媛県出身で元読売巨人軍で活躍した西本聖(たかし)という投手がいました。彼の投げるフォームは独特でしたが、それは「巨人の星」の星飛雄馬を模したものだそうです。野球の名門の松山商業出身でしたが、彼が在籍中は甲子園に行くこともできず、無名でした。ですから彼が巨人軍に入団したのもドラフト外でした。しかし、彼は無類の努力家で、逆境にもめげず、真摯に野球に取り組み、その姿勢は周りの人の評価を変えていくようになります。
打撃投手を務めるときも全力投球をし、乗り物にも乗るときにはつま先立ちをして足腰の筋力を鍛えたという逸話が残っています。やがてその努力が実り、一軍で活躍し、沢村賞、最多勝、最高勝率賞、ゴールデングラブ賞など数多くの賞を獲得しました。
彼の武器はシュートで、「カミソリシュート」という異名をとったほどです。また彼が活躍できた背後には元プロ野球選手のお兄さんの教えも大きかったといわれています。お兄さんの経験や教えを素直に聞き、自分なりの特徴を生かした投球を目指していきました。
私たちはよく才能がないとか、能力がないからとか言って人とすぐ比較して自分を貶(おとし)めてしまいます。しかし問題は能力の有無ではありません。どれだけ真摯に人生に向き合い、努力を重ねたかということです。確かに他の人のような能力はないかもしれません。しかしそれは他の人のものであって、自分の能力ではないのです。神が与えておられる神の賜物に目を止めましょう。あなたならではの能力と才能を神は備えておられるのです。それは比較されるものではなく、あなた自身のものなのです。そのことに目を止めたいと思います。
信仰の道も王道はありません。信仰をもてば努力をしなくていいということではないのです。神は私たちを子どもとして扱っておられるので、私たちを怠けものにするために救いを与えられたのではないのです。もちろん神が下さった救いは無償です。その大いなる救いの恵みが流れていくために神様は私たちを用いられるのです。神様は私たちのその労苦に豊かに報いてくださるお方です。今までは一人だったかもしれません。しかし、今はイエスキリストという名コーチがいてくださり導いてくださるのです。このコーチに素直に聞き従うとき、私たちは大きく成長し用いられる人になっていくのです。
 従順に神のみことばに聞く習慣を身につけていくものとなりましょう。

 

主は主の御声に聞き従うことほどに、全焼のいけにえや、その他のいけにえを喜ばれるだろうか。
見よ。聞き従うことは、いけにえにまさり、耳を傾けることは、雄羊の脂肪にまさる。
(Ⅰサムエル記15: 22)

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