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NO.042  2009.06.07

 「パニックになるな」

 

 すると彼は、「恐れるな。私たちとともにいる者は、彼らとともにいる者よりも多いのだから。」と言った。
そして、エリシャは祈って主に願った。「どうぞ、彼の目を開いて、見えるようにしてください。」
主がその若い者の目を開かれたので、彼が見ると、なんと、火の馬と戦車がエリシャを取り巻いて山に満ちていた。
(Ⅱ列王記6:16-17)

 

よくパニックになるといいます。パニックになるとどうなるでしょうか。以前、自宅の隣がボヤになったことがありました。私の母がいち早くそれに気づいて消防車を呼ぼうとしたのですが、番号が出てこないのです。普段なら119番とすぐにわかるのに、慌ててしまうと番号が出てこないのです。ある人は『頭が真っ白になる』と表現する人もいますが、「自分で何をしているのかわからない」状態に陥ってしまうのです。
 旧約聖書に活躍した預言者エリシャの時代のことでした。イスラエルの隣国アラムは預言者エリシャの働きに頭を痛めていました。エリシャのせいで彼らのイスラエルに対する侵略の野望がことごとく暴露されてしまっていたからです。業を煮やしたアラムの王は軍隊をエリシャのもとに送ります。
 朝早く、エリシャのしもべが外に出てみますとアラムの軍勢がエリシャの家を包囲しているではありませんか。このしもべはパニックに陥ってしまいました。しかし、エリシャは微動だにしません。
 エリシャはしもべに「恐れるな。私たちとともにいる者は、彼らとともにいる者よりも多いのだから。」と言い、主に祈りを捧げたのでした。「彼の目を開いて見えるようにしてください。」するとその僕の目が開かれ、神の軍隊がアラムの軍隊を取り巻いているのが見えたというのです。
 このことは私たちにパニックに陥らないための秘訣を教えてくれています。第一に私たちには万軍の軍勢が私たちを取り囲んでいるという事実です。エリシャはそれがわかっていました。私たちの肉眼では見えないかも知れません。しかし、神が私たちの背後で私たちを絶えずサポートしておられる事を覚えましょう。「あなたがたはこの世では悩みがある。しかし勇気を出しなさい。私は世に勝ったのです。」(ヨハネ16:33)と主イエスは言われました。この神の約束と神の臨在の現実感をしっかりと祈りの中で握ることです。
 クリスチャンにパニックの状況が起らないと言うことはありません。クリスチャンにとっても慌てふためくことが起ります。それが人生です。しかし、私たちは頼りたのむお方がいることを覚えましょう。
第二にこのしもべはエリシャの祈りによって慌てふためいた状態から解放されました。それは目が開かれたからです。私たちも聖霊の助けによって目が開かれる者となりたいと思います。信仰の目を持って見れば、不可能と思うことも可能になることがわかります。神が私たちの味方だからです。
  私たちが弱ってパニックに陥っているのを喜ぶ輩がいます。それはサタンです。サタンは私たちが嘆き、叫び、慌てて、つぶやくのを見たいのです。悪魔に勝利する秘訣を手にいたしましょう。イエスの名によって固く立つのです。自分自身に言いましょう。「恐れるな。私たちと共にいる者は、彼らと共にいる者よりも多いのだ」と。

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