閉じる

NO.001   2008

 ■「異文化コミュニケーション」

 

ひところ「異文化コミュニケーション」というキャッチフレーズが英会話学校の宣伝でよく流れたことがありました。
この異文化とは言葉や人種の違う人たちのことをいいます。
世界中の人との交流が頻繁となり、その意思の疎通には英語の取得が欠かせない
というのがセールスポイントだったのです。
しかし、それは何も外国の人たちとの交流だけが異文化コミュニケーションではありません。
私たち日本人同士であっても「異文化」コミュニケーションなのだと強く思わされます。
私は51歳ですが、子ども達とは30年近く年代の違いがあります。
「父さんの時代には・・」といい始めるとすぐに「今と昔では時代が違うんだから」「それは田舎の話でしょ」と
言われてしまうこともしばしばです。
また、使っている言葉で理解が出来ないものも沢山あります。
若者世代と私たちとはやはり大きな文化の違いがあります。
最近は特にゲーム世代、ケイタイ文化、ネット文化、と言われるほど若者達はその文化にどっぷりと浸っているのです。それを否定することは簡単ですが、それは意思の疎通を益々困難にさせてしまいます。

 

いつの時代も世代間のギャップはあります。また男女の違い、地域性、育った環境も違います。
その意味では一人ひとりがそれぞれの固有の文化を持っているといえるのです。
もちろん共通する部分も多々あります。

しかし、互いのコミュニケーションをよりよく図るためには先ずそれぞれの価値観や文化が違う、
すなわち「異なる文化」をお互いが持っているのだという前提に立って
関係作りをすることが大切だと痛感いたします。
異なる文化を持っている者同士が意思の疎通を図ろうとしているのだということを
認識しておくと随分とコミュニケーションや人間関係を持つときのフラストレーションや
ストレスを軽減できるのではないでしょうか。

 

日本人の悩みで一番多いのは「人間関係の悩み」です。
それは同じ日本人同士なのだという認識が返って関係作りを困難にさせているように思います。
わたしが思っていることは相手も理解してくれるだろう、わかってくれるだろう。
という思い込みがあったり、相手が自分のことをどう考えているのか、必要以上に意識しすぎたり、
同じでなければいけないという感覚がどこかにあってそれが私たちを悩ましているのではないでしょうか。

 

一人ひとりは違うのです。違う文化の中で育ってきたのです。
ですから理解しあうためには時間がかかることを認識することです。
思い込まないで、わからないことは言葉に出して聞くようにすることです。
一方的に自分のことを語るだけでなく、相手の言うことをしっかりと聞くようにしましょう。
「謙遜と尊敬」の思いで、相手がどんな文化や環境で育ったのだろうか、それを知りたい。
まさに「異文化コミュニケーション」を図っているのだという感覚で取り組んでみることをお勧めいたします。
さあ、私たちも「異文化コミュニケーションに」チャレンジいたしましょう。
豊かな世界がそこに広がっていくことを信じています。

 

何事でも自己中心や虚栄からすることなく、へりくだって、
互いに人を自分よりもすぐれた者と思いなさい。
自分のことだけではなく他の人のことも顧みなさい。
(ピリピ人への手紙2:3-4)

閉じる